瑞岩寺を出て、次の目的地である平安寺へと向かう。途中、農道に車が何台も止まっている場所があった。どうやら湧水があるようだ。
名称は「二条関白蘇生泉」。いわれは、次のような伝説である。
南北朝時代に北朝の帝が戦乱を避けるため揖斐川町に避難したことがあった。このとき、帝に随伴するはずの関白は体調をくずし、ひとり遅れて逃げ延びてきた。関白は輿に揺られながらちょうどこの辺りにさしかかったとき、うら若き娘から冷たい水を献上される夢を見て目覚めた。従者に探させたところ、この泉を見いだしたという。
泉は2ヶ所から湧いている。
一つは祠の基壇である(左写真)。というより、水源の上に祠を建てた、ということか。
水源の周りには水苔が生えていて、あまり清澄な感じではない。それでも、ハイカー達が並んで水を汲んでいる。
もう一ヶ所は祠の下にあり、水船に注がれている(左写真)。
湧水の近くにはオートキャンプ場があり、湧水自体も公園のようになっている。湧き出している場所には相当の土木的な改変(よくいえば造園)が加えられており、正直なところ少々興ざめな湧水であった。
(2000年03月20日訪問)