新長谷寺忠魂碑

新長谷寺境内にあり、砲弾が奉納。

(岐阜県関市長谷寺町)

新長谷寺境内で見かけた忠魂碑。小さな塚になっていて石段がつけられている。石段の途中には青銅製の砲弾が供えられている。国のために命を賭した勇敢な兵士達の魂に砲弾を奉納して慰めようとしたのか、さらなる軍国的な忠誠心を鼓舞するためにそこに供えられたのかは、今の時代では想像するしかない。

私はいわゆる戦争を知らない世代だが、わずかな記憶では私の幼少の時代には今よりもはるかに軍国的なアイテムを目にすることが多かったような気がするし、大日本帝国時代の実在した(ゼロ戦や戦艦大和などの)兵器に対する賛美も、あっけらかんとしていた。

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そして、こうした砲弾だけでなく、戦車、戦闘機などが(驚くなかれ)お寺の境内や児童遊園地に置かれ、子供たちの人気の的となっていたのだ。

最近、ふと思い出してそうした場所を訪ねてみたら、いつの間にか戦車や戦闘機たちはどこかに姿を消していた。

この忠霊塔に誇らしげに飾られた砲弾を見て、消えていった軍国アイテムたちのことを思い出してちょっと複雑な気持ちになってしまった。

(2000年04月30日訪問)