正法寺

本堂、庫裏は巨大な茅葺きの建物。曹洞宗第三位の格式。

(岩手県奥州市水沢区黒石町正法寺)

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正法寺。水沢市の南東のはずれの山の中にある寺。宗派は曹洞宗で、永平寺、総持寺に次ぐ格式の寺だという。

門前には古い街道の風情が漂う。

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総門は四脚門で国重文。

境内には老杉が茂る。いかにも禅宗の本山らしいたたずまいだ。

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本堂は茅葺き屋根の非常に巨大な堂。国重文に指定されている。

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その屋根は、建築物というよりもまるで山を見上げているような感じだ。

残念ながら修理中で見学はできなかった。茅葺きとは言え、このくらいの屋根になると葺き替えるだけで数千万円はかかるのではないか‥‥。

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本堂の左側にもなにか衆寮のような堂が見えたが詳細は不明。

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庫裏も国重文で、修理が終わっていている。

拝観料は300円で庫裏と宝物館が見学できる。(本堂が見られないのに拝観料を徴収するというのはいかがなものか‥‥。それとも300円は庫裏の拝観料で本堂は別か?)

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庫裏の手前には方三間の巨大な鐘楼。山廊(?)が付いている。

2階部分はオリのようになっていて、怖い感じの建物である。

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庫裏の中は比較的自由に見学できる。

入ったところは土間になっていてカマドがある。カマドではいまでも煮炊きに使われていた(左写真)。

現代では「庫裏(くり)」は住職の住居を指すことが多いが、庫裏本来の意味は煮炊きをする場所なのである。

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庫裏の中央部には韋駄天(いだてん)が祀られている。

韋駄天を祀ると食事に不自由しないといい、禅宗の庫裏に祀られることが多い。見分け方は三国志などに出てきそうな中国風の兜と、合唱するように両手を中央で合わせている手のポーズだ。

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土間の上には天井が張られておらず小屋組みが見えている。

幾重にも重なって続いている柱や梁は無限の宇宙のようですらある。のぞきこんでいると吸い込まれそうな眩暈を感じる。

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よく見ると梁の間にハシゴがかかっているではないか。星へ登るハシゴだ‥‥。

(2001年08月13日訪問)