日活パール劇場。石巻市内をぶらぶらしていて見かけた映画館。表通りから引っ込んだところにあって、表通りには地味な看板が一つ立っているだけ。

分かりにくいが、写真中央の白い電柱の裏を右に入っていくのだ。

入口を入ると、まるで物置のような乱雑な空間があり、ポルノ映画のポスターが壁にべたべた貼られている。

あぁ、なんて淫靡で退廃的な空間なんだ。あまりのすばらしさにしばしうっとりしてしまう。映画館の入口のドアにかかれた「冷房中」の文字といい、古ぼけたカブといい、まるで小栗康平の映画のセットのよう‥‥。

映画館のドアの左側を抜けると、狭い通路を通って裏側の道まで通り抜けることが出来る。

裏側に回ってみると一応映画館らしいことがわかる。

この映画館が建っていた場所には、かつて粟野邸という屋敷があったという。

江戸時代に吉田松陰が東北東北遊歴の際に粟野氏の屋敷に宿泊し、屋敷の庭の「合歓園」を称賛したのだという。