大野の十王堂

塗籠造の重層の辻堂。人頭杖や浄玻璃鏡がある本格派。

(愛知県常滑市大野町8丁目)

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常滑市の旧道で見かけた辻堂。

地元の人がこの旅行記を見たら、斉年寺→大智院→大野の十王堂という紹介は、順番を間違えたのではないかと思うかも知れない。

斉年寺を見たあとコンビニかファストフードを求めてバイパス方面へ向かい、途中で大智院を見つけて参詣したのだが、斉年寺のすぐそばにあった辻堂がどうしても気になって、もう一度斉年寺付近まで戻ってきたのである。

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塗籠造ので重層、辻堂としては最上級の立派な堂である。

しかも水盤舎まで付属している。

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内部は一室からなる単純な構造で、十王堂になっていた。もちろん二階はない。

中央に地蔵菩薩がいて、その左右に十王がコの字形に並んでいる。

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左のほうには司命、司録、奪衣婆がいて、浄玻璃鏡、人頭杖、業の秤もある。

いいものを見させてもらった。わざわざ戻ってきた甲斐があったというもの。

8月のお盆のときには近くの川で精霊流しをしたあと、この十王堂にお参りするという二所参りの風習があるという。

(2002年02月10日訪問)