古城団地の大桑

胸高直径70cmのログワ。

(群馬県安中市板鼻)

かつて安中を全国的に有名にした公害事件があった。亜鉛精錬工場による重金属の排出が戦前から長い間つづき、風下の農地がカドミウムで汚染された。その公害で汚染された農地を使用可能にするため、風上の山の無毒の土を汚染された田畑に客土しなければならなくなった。

その土砂の採取跡地が、いま古城団地という住宅団地になっている。その団地の片隅に桑の巨樹があるというので見に行った。

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団地の北縁の公園のとなりにその大桑はあった。

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種類はログワ系。

葉に切れ込みがないのが特徴。

ログワはどちらかというと西日本で栽培された品種と言われるが、群馬県の中山間地でもよく野生化しているのを見る。

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この場所がむかし桑畑だったという感じではない。雑木林の林縁であり、勝手に根付いた桑だったのだろう。

胸高直径は70cm、樹高は推定10~15mくらいであろうか。樹齢は、あてずっぽうだが50~100年くらいあるのではないか。

群馬県では、各地に放置された桑畑があり、見上げるような桑の林が形成されているところも目に付く。そのため、ちょっとした桑の巨木くらいでは驚かないのだが、この桑は「大桑」と言っていいものだと思う。

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下から見上げると、とても桑の樹の下にいるようには見えない。

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ところで、この大桑の隣の公園は、敷地全体に芝が植えてある。こうした施工は、管理に労力がかかるので町内会などが嫌い、なかなか実現できないはず。

かなり珍しい公園だ。

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遊具としては特徴的な雲梯があった。

これどうやって遊ぶのだろうか。

(2013年08月25日訪問)