上日野の鹿島神社

数々の性神が見られる。

(群馬県藤岡市上日野)

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藤岡市は江戸時代に絹市で繁栄した絹織物の集積地だった。当時上州には桐生の「仁田山絹(にたやまぎぬ)」と、藤岡の「日野絹(ひのぎぬ)」という二大ブランドがあり、その品質は全国的に知られていた。だがこの日野絹がどのような物だったか史料はあまり残っていない。2011年のGW、日野絹のふるさとである日野の地に分け入って、絹織物についての聞き込みをした。

結局、日野絹についてはなにも収穫はなかったのだが、その時に立ち寄った神社が、ここ上日野の鹿島神社である。

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参道の幟竿立てには「支那事変記念奉納」と書かれている。当時の国民一般には、戦争が始まることがポジティブなできごとだったのだろう。

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参道を進むと、割拝殿が見えてくる。

鳥居は笠木付きの白木鳥居。鳥居の左側には水盤舎がある。

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片側が懸崖造りになった割拝殿である。

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床下には、花火の火筒と思われるものが保管されていた。

打ち上げ式なのか、手持ちなのかはわからないが、かつてこの村で花火が自作され、祭りで奉納されていたという証だ。いま、これを使っていれば、ニュースなどで紹介されて少しは有名になるだろう。

少し前に紹介した、高崎市の鹿島神社でも例祭で花火を使うので、鹿島神社と花火にはなにか相関性がありそうだ。

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このアングルから見た懸崖式の割拝殿は、社寺好きにはたまらない風景だ。

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割拝殿の全景。

建物の前に無駄な杉林などはなく、眺めは良い。ただし参道は北面しているので、月見には不向きなのが惜しまれる。

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境内の西側には神楽殿。

案内板によれば、春の例祭は4月15日で太々神楽が奉納されるという。秋の10月10日にも例祭があり、山車や獅子舞が出るそうだ。

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神楽殿の横には拝殿、兼、本殿。

神楽殿と同様に東面している。

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拝殿兼本殿は凸型で、背面に本殿というかご神体が収納されているのだろう。

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境内にあった双体道祖神。

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あれ!?

この中央の石は、性神ではないの?

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少し進むと、あからさまな感じの性神ゾーンが現れる。

鳥居の扁額がハートに突き刺さった男根。

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女陰石。まだ新しそう。

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男根石。これも女陰石と同時に作られたものだろう。

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末社があったので覗いてみる。

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末社と末社のあいだに、すばらしいオブジェの数々。

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奥にトタンを叩いて作った金属製の男根。内部は空洞になっているが何も入っていなかった。

その手前、左側は一木造りの男根、右側は女陰の浮き出た変木。

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不動明王の股間にもそそり立つモノが・・・。

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焼物や石製の男根もある。

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末社には赤飯とイワシが奉納されていた。

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こちらにもイワシ。

一晩も放置すれば、キツネやタヌキに食べられてしまうだろうから、これらは奉納されてからまだ時間が経っていないものだと思われた。

(2011年05月06日訪問)