研業社・関根製糸所跡

明治初期、群馬を代表する製糸場のひとつだった。

(群馬県前橋市関根町2丁目)

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日本で最初の器械製糸工場は、明治3年に前橋藩の速水(はやみ)堅曹(けんそう)らによって創設された藩営前橋製糸所だったことは以前に紹介した。堅曹はその後、富岡製糸場、水沼製糸所、二本松製糸場の立ち上げにかかわり、ここ関根町に「関根製糸所」を作った。明治8年のことである。その経営母体が「研業社」であった。

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研業社・関根製糸所は明治13年ごろには、富岡製糸場に次ぐ規模の器械製糸工場となり、明治31年まで続いたそうだ。

昭和の時代にはこの場所には県の稚蚕人工飼料センターなどが建ったらしい。子供のころこのあたりにはほとんど来たことがなかったので、当時どんなふうだったかはまったく知らない。

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いまは広々とした公園があるばかりで、周囲は新興住宅街となっている。こんな場所に製糸工場があったというのはなかなか想像しにくい。

(2013年01月27日訪問)