シュエサーヤンパゴダ

タトンのシンボルでもある巨大パゴダ。

(ミャンマーモン州タトン)

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仕事で初めてカレン州を訪れたとき、パアンへ向かう車に揺られながら「遠いなあ、どこまで連れて行かれるのだろう」と心細く眺めた風景はいまでも思い出せる。そのとき大きなパゴダが見えたので車窓から写真を撮ったものだった。

いま自分のアシでこのパゴダを訪れている。何度もこの道を通り、いつのまにか見馴れたタトンの町並みだが、それでも突然にあのときの心細い心境がフラッシュバックする場所なのである。

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その大きなパゴダとはタトンのシンボル、シュエサーヤンパゴダ。

パゴダの西側は長距離バスの停留所にもなっていて、いつもにぎやかだ。

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山門の前には果物の露天が出ている。ランブータン、マンゴスチンは雨季のミャンマーの旬の果物。

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西門を入るとパゴダに接合した仏殿になっていて、その内部にはたくさんの仏たちがいる。

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巨大パゴダを中心に、その周囲を小さな仏堂やパゴダが取り巻いている。その構成は、ヤンゴンのシュエダゴンパゴダや、バゴーのシュエモードパゴダなどと同じパターンだ。

境内はほぼ完全にタイルで覆われており裸足で参詣できる。ただし、雨季のため滑りやすくなっており「市松模様のところは歩かないように」と看板が出ていた。

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パゴダのシルエットはシュエダゴンパゴダと似ている。シュエダゴンパゴダ型とでも呼べばよいか。

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大きな仏塔の周りに、小さな仏塔が林立しているが、その部分は柵があって中には入れない。

柵の外側には八曜日の守り本尊があって、そこだけはお参りできるようになっていた。

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仏塔の周囲を時計回りに見ていこう。

まずあるのは、シンウーパゴ堂。

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例のごとく池の上に作られている。

手前に2頭の龍がいるのは、先ほど立ち寄ったポウンドディパゴダのシンウーパゴ堂と同じだ。

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この部分には同じパターンの堂が3つ並んでいる。

1つ目がシンウーパゴ堂、2つ目はこのお堂、3つ目は奥に見えるシンティワリ堂だ。

2つ目の堂は、普通の仏陀のようにも見えたが、池の上にあるので何か特別の仏なのだろうか。

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その先には、講堂、兼、信徒会館がある。

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内部の様子。

参拝客はここで自由に休憩できる。

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信徒会館の先には、北門があり、そこにも仲見世があった。お供え用の傘蓋(さんがい)みたいな形の花が売っていた。

仕事がうまくいくように奉納するものだという。

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大きめの仏殿がある。

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内部には寝釈迦。

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メインの仏塔の北側にある、中型の仏塔。

バガン王朝様式の建物だ。もしかすると、バガンにあるナガーヨン寺院をモデルに、縮小したものかもしれない。

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さらに回り込んでいこう。

写真に見える、切妻を重ねたような屋根はモン様式の建物だ。

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最初に入った西門からみると裏側にあたる場所。こちらにはおっぱい型パゴダや、小さな堂がこまごまと建てられている。

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その一角に、ミャンマー人が楽しそうにのぞき込んでいる堂があった。

もしかして、ゲーム系賽銭箱か?

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残念ながら、動いてはいなかった。

シュエサーヤンパゴダを始めとする、タトンの中心地のジオラマだった。

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手前に金色のパゴダがいまいるシュエサーヤンパゴダだ。

このあと向かうつもりのミャザベィパゴダが山の上に見える。

山麓にあるゾウが並んでいるパゴダは実在するのだろうか。

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さらに、回り込んでいく。

仏殿と講堂があった。

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仏殿の内部。

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ここにも中型のパゴダがある。やはり、バガン王朝の寺院をイメージしていると思われる。

シュエサンド寺院がモデルではないだろうか。階段があり途中まで登れるようになっているのも似ている。ただし、ここでは女人禁制。登れるのは男性だけだ。

シュエサンド寺院は少なくとも外国人ならば女性も登れるはず・・・。

(※ 2020年現在、バガンのパゴダはすべて登頂禁止となった。)

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ミニ、シュエサンド寺院の上から、メインのパゴダを見たところ。

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その反対側を見下ろすと、チャウサ(板碑)堂などが見える。

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小さなパゴダの基壇にも板碑が埋めこまれている。

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石灯籠。

軽石のようなすきまだらけの石材でできており、屋根は苔むしている。

どうもそういうコンセプトの石灯籠のようだ。

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東参道は100mくらいの回廊になっている。

この寺は西門がにぎやかで、東側はあまり人通りもなく寂れている。回廊も、仲見世が出店できるように作られているがほとんど入居しておらず、廃虚っぽい雰囲気。

国によったら、こんな場所を独りで歩いたら襲われるんじゃないかというくらいの不気味なたたずまいである。まあ、ミャンマーではそういうヤバイ街区はないので大丈夫だけれど。

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営業していない占い店があった。

ミャンマーの寺の仲見世では、占い屋はけっこうポピュラー。

日本でも関西の観光寺院の仲見世に占い店が見られる。

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お堂を補修している左官職人さんがいた。

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回廊の床で直接セメントをこねるのがミャンマークオリティー。

こねるのに使っているのは、日本でいう平スコ。このあたりではスコップは刃先の金属部分だけが売られていて、軸は自分で適当な樹や竹を切って差し込んで使う。持ち手の部分がないので力が入らない。ミャンマーではナタや鍬だけでなく、スコップもあんまりなのだった。

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パゴダをだいたい一周した。

最後のあたりにあった象さん。

小さなパゴダや堂がかなりあったため、後半はダレぎみ。非常に堂の多い寺である。

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タコンタイ(石柱)は境内側からは狭くて全景が撮影できなかった。バス乗り場のあたりから撮影。

てっぺんにはモンのシンボルたる、オシドリが乗っていた。

(2014年07月26日訪問)