沼の四つ手網漁

町に近い沼で漁師が小魚を干していた。

(ミャンマーカレン州パアン)

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土曜日、休日である。

パアン空港方面の寺巡りに出かけることにした。パアン市から北へ伸びる道、パアン・ラインブエ街道に面した寺がターゲットだ。

パアン市南東のロータリーを過ぎると巨大な樹が街道を覆うように続く並木道になる。ちょっと樹が大きすぎて、遠近感がマヒしてきそう。でも車社会になってから植えた樹だろうから、樹齢は100年未満じゃないだろうか。

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ロータリーからいくらも行かないうちに、湿地帯を渡る橋がある。

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その橋の上から四つ手網が見えた。四つ手網とは竹などのフレームを十字にしてその先に正方形の網を張っておき、魚が集まったところで垂直に持ち上げる漁法である。

私が以前に住んでいた徳島県では、椿泊町のシラウオ漁の四つ手網が知られていた。瀬戸内では岡山県の児島湾にはこれを観光で楽しめる小屋があり、すばらしい風情の場所なので一度行きたかったのだが、関東に転居したためその機会は訪れそうにない。

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日本の四つ手網の仕組みと違いはなさそうだ。

いや、四つ手網マニアが見たら何かしら違いがあって、私には見えないだけなのかも知れないが・・・。

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網を上げるとこんなふうになる。

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四つ手網の近くには定置網もあった。

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小舟のように見えるのがウケ。

ここに魚が入るのだろう。

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謎の道具もあった。

ウナギを取るウケかもしれない。

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近くで魚を干している人がいた。

この仕掛けの持ち主であろうか。

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あまり清潔感がない網代(あじろ)の上に並べられた魚たち。

出汁(だし)かフリカケにでもするのではないかと思う。

銀色のフナみたいな魚が多いが、よく見るとフグが混ざっている。毒は大丈夫なんだろうか。

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沼の下流側。この沼というか湿地はパアン市の北東側に広がっていて、これといった利用もできない場所になっている。

日本でも江戸時代以前の東京はこんな場所がたくさんあったのではないだろうか。ミャンマーが発展すれば、いずれ埋めてられ、1本の治水された河川になってしまうかもしれない。

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沼の上流側。

東南アジアらしい風情の場所だ。

(2014年11月08日訪問)