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ホーム岡山・水車と鍾乳洞を巡る(2日目)倉安川吉井水門

倉安川吉井水門

吉井川と岡山市をつないだ運河の閘門。

(岡山県岡山市東区吉井)

地図・MAP
 
   
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閘門(こうもん)式の運河については、以前、倉敷市の高梁川にある閘門を紹介した。

同様の遺構が岡山市東部の吉井川にもある。それが倉安川の吉井水門と呼ばれる閘門である。

写真の右側に映っている川が吉井川。きょうはこの川に沿って内陸へ入っていく予定だ。

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倉安川の取水場所へ行ってみると、吉井川には古い石積みの堰があった。

おそらく江戸時代に作られたものだと思われる。現在はさらに上流に坂根可動堰が作られ、さきほど紹介した大用水と倉安川用水の取水場所になっている。

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閘門とは、水位の異なる川同士を舟運でつなぐ場合に、2基の水門の間で船を上下移動させるエレベーターのような施設だ。ここでは二つの水門を「一の水門」、「二の水門」と呼んでいる。

吉井川側の一の水門は、このとき工事中で見えなくなっていた。もっとも現在は水門の外側に堤防があるので、ここからはまったく水の出入りはないだろう。

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一の水門を内側からみたところ。水門の穴が完全にコンクリの堤防で塞がれてしまっているのが惜しまれる。

その手前の紡錘形の水面が調整用の船だまりだ。ここでは「高瀬廻し」あるいは「舟廻し」と呼ばれている。

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よく見ると水面に下りる石段がある。

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これは番所の跡だという。

通行料を取ったり、積み荷を検査したりしたのだろう。建物は閘門が利用された当時のものだと思う。

舟運というと江戸時代のようなイメージを持つかもしれないが、むしろ明治・大正時代のほうが商業が発展し、より多くの舟が運行されたはずだ。

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下流側を見ると二の水門がある。

この池に水を溜めたり抜いたりして、水位を調節するのだ。

たとえば水位の低い倉安川から、水位の高い吉井川に舟を入れるときは、まず一の水門を閉じ、二の水門を開く。舟が倉安川から船だまりに入ったら二の水門を閉じ、一の水門から徐々に水を入れる。船だまりの水位を吉井川の高さまで上げたら、一の水門を開いて舟が出て行くという仕組みだ。

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二の水門を出たところにも船だまりがある。

ここは上りの舟が閘門の利用を待つために待機する場所だ。往時には高瀬舟でごった返したことだろう。

倉敷の高梁川の閘門では、調整池部分は直線で距離が長かった。倉敷の閘門のほうが舟が整然と順番待ちをできるだけ洗練された構造といえる。

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河川での舟運を行う場合、上りは帆走するか、岸辺から人馬で舟を引かなくてはならない。吉野川のような大きな河川では岸辺から舟を引くことはできないが、倉安川のような人工の用水ではそれが可能になる。

そのため、風向きに関係なく舟運ができたこうした用水路は物流の大動脈だったろうと思われる。

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いまはこの水門は封鎖されてしまっているので、吉井川からの流入はない。

少し上流から取水された新しい流路が途中で合流している。

(2003年04月28日訪問)

   

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