化生寺

九尾狐の殺生石のかけら埋もれているという。

(岡山県真庭市勝山)

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玉雲大権現の隣りにある寺、化生寺(かせいじ)。何だかおどろおどろしい名前の寺だが、この寺には妖怪九尾の狐にまつわる伝説が伝わっている。

平安時代末期、玉藻前(たまものまえ)という美女がおり鳥羽上皇をかどわかした。陰陽師によってその正体が九尾の狐という妖怪であることを見抜かれ那須(栃木県)に逃亡する。上皇は軍勢を派遣して九尾の狐を打ち取ったが、その死体は石と化して長いあいだ毒をまき散らした。室町時代になってようやく高僧玄翁(げんのう)によってその石は打ち砕かれた。

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その際、殺生石の破片は各地に飛び散り、憑き物などの災厄の起源になったという。

その破片のひとつがここ化生寺の境内に落下し地中に埋もれているという。

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この塚の地下5mほどに殺生石の破片があるという。

訪れたのが日暮れの時間だったため、どことなく不気味な雰囲気がただよう。

なお、殺生石の破片が飛び散った先はいずれも「高田」という地名であるとされる。この勝山町も、古くは美作高田という地名であり、この寺の裏手には高田城の跡が残る。

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寺の堂宇について見ていこう。

山門は四脚門。背が高く間口が狭く感じられるデザインだ。

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本堂。

その前に殺生石塚がある。

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本堂の右側には玄関と庫裏。

(2003年04月30日訪問)