善入寺島の最上流部には学(がく)いう集落と市場町を結ぶ街道が通っていて、そこには3連の沈下橋がある。

だが現在では3連沈下橋のすぐ横に抜水橋「阿波麻植(おえ)大橋」があるため、旧街道を通る人はほとんどいない。(ただこの橋とて、いま見ればリベット止めワーレントラス橋であり、風情のある橋といえよう。)

その抜水橋から3連沈下橋の遠景を撮影してみた。

善入寺島の北側の流れは南側に比べて穏やかな感じ。

ただそれもこの写真を撮影した2007年の1月にそうだというだけであって、川の流路はときどき動くからこの風景がいつまでも続くということではない。

香美橋は3連の沈下橋の最も北にある橋。

善入寺島の北岸には大野島橋、千田橋、香美橋と3つの沈下橋があるわけだが、そっくりさんなのでどの橋の写真なのかわかりにくい。

阿波麻植大橋から吉野川の上流部を見たところ。

川にせり出している山は、種穂山(たなほやま)。山頂には種穂神社があり、古代の職能集団、阿波忌部氏にゆかりの山とされる。

このあたりは忌部氏の拠点で古い土地である。

善入寺島の古名は「粟(あわ)島」といい、「阿波国(あわのくに)」の語源だという説がある。