吉田遊塚のベーハ小屋

越屋根がスケルトン状態だった。

(徳島県阿波市土成町吉田遊塚)

板野町で田んぼの中のお墓を探していて、そのまま西のほうへ来ていた。田んぼの中のお墓のお墓の分布には地域性があって、西のほうへ行くにしたがって数が少なくなる。土成町、鴨島町よりも西では見つけにくくなる。

きょうはこれ以上は見つけられそうにないので引き返そうとしたとき、朽ちかけたベーハ小屋が目に留まった。

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越屋根の小壁や戸板が壊れてほぼスケルトン状態だ。

なんでこんな状態がよくない物件の写真を撮るかって? それはベーハ小屋の写真は、他のものを見ている途中で偶然見かけたら撮っているだけだからだ。1件の枚数が少ないのもそうした理由。

ここ土成町はいまでもタバコ栽培が盛んな地域だ。徳島でベーハ小屋を手っ取り早く大量に見たいならば、四国8番熊谷寺の西側あたりを重点的に探せばよい。畑も簡単に見つけることができる。

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さて、これは破風切り型だが、スケルトンになったおかげで内部の架構が見える。

ベーハ小屋の多くは切妻屋根だが、越屋根から排気する機能のため棟木がない。つまりベーハ小屋の屋根は扠首(さす)構造や合掌造りではなく、2枚の片流れ屋根と言ってもいい造りになっている。これは破風繋ぎ型であっても同様だ。

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公道から見える場所にあるので、観測用の小窓も確認できる。

小さな片開きのガラス窓だが、こんな小さな窓で乾燥状態が確認できるのかね。ガラス窓の上に小さな丸い穴が空いているのは温度計を差し込むためだろうと思われる。

(2007年06月09日訪問)