タンマサー村からの帰路、サンガラィン村付近を通過中に、街道の道ばたで作業をしている農夫がいた。
往路では見かけなかったので、私がフンメ山で苦闘していたあいだに機械を持ってきて作業を始めたのだろう。
動力付きの大きな機械から、稲藁が勢いよく飛び出していた。
脱穀機だ。稲の脱穀をしている。
ミャンマーの主産業は農業で、特にコメについては非常に栽培面積が多いのだが、あまり農作業をしているところに出くわさない。せっかくなので少し見せてもらうことにした。
脱穀された籾は籾米は、自動的にフルイにかけられて、右のカゴに溜まっていく。ここで砂や小石などを除去しているのだろう。
全体的に武骨で自走式ではないものの、日本で見る脱穀機とほぼ同様の機能の機械じゃないかと思う。
ただ、稲藁はバラバラにまき散らされているので、あとあとのことを考えると使いにくそう。特に風のある日とか・・・。
日本でこういう脱穀をするのは、コンバインを使わずにバインダーなどで刈り取って圃場で干しておいた稲束を処理する場合だ。脱穀機に投入した稲束は、束ままの形で排出されるものが一般的と思う。
日本にもむかしはこんなタイプの機械があったのかな。
カゴに籾米が溜まると、コメ袋に詰め替えていく。
中を見せてもらった。
いわゆるインディカ米、長粒種だ。
ミャンマーの稲作は長粒種が主流だが、中部地方では短粒種も生産されていて、コメ屋ではどちらでも買うことができる。
いずれミャンマーにもコンバインが導入され、こうした脱穀風景も少なくなっていくのかもしれない。
(2015年11月29日訪問)