笠ヶ滝

札所72番奥の院。参道が鎖場の連続、洞窟を抜けて本堂へ。

(香川県土庄町笠滝乙)

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小豆島滞在3日目。

最初に向かった寺は笠ヶ滝。小豆島霊場の中でもっとも有名な奥の院ではないかと思う。札所72番、滝湖寺の奥の院である。山の山頂付近に投げ込まれたお堂は、「本当にあそこまで行けるの?」と思うほどの断崖絶壁。その姿は遠くからも見える。

場所は2日目に訪れた小豆島大観音のすぐ近くなので普通の観光であれば立て続けに見てもよさそう。ただし、笠ヶ滝の拝観時間は8:00~14:00と短く、特に終わりが14:00(午後2時)というのは尋常ではなく早いので、旅行計画を立てるときは最も気をつけないと行けない寺なのである。私は大観音を見たときもう13時になっていて、一緒に見ることができなかったのだ。

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ふもとから見上げたお堂。こりゃ150mくらいの登山かな・・・と思いながら道路標識に従って山道を登って行く。最後はけっこう狭い道に入り、急坂を登りきると駐車場があり、車でかなりお寺の近くまで行くことができる。自分の足で登る標高は40mくらいか。

三仏寺投入堂はちょっとした登山が必要だが、ここ笠ヶ滝は山登りに自信のない人でも大丈夫そう。

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お堂への登り口にある鐘堂。

この鐘を衝いて、お堂の堂守にこれから参拝者が登って行くことを知らせるのだとか。

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さて、このお寺の最大の特徴は、参道が岩場(鎖場)になっていることだ。

恵門ノ瀧の参道のような石段の迂回路はないので、全員がこの岩場を通過しなければならない。

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とは言え、「鎖から手を離したら即死」というルートではなく、「手が鉄臭(かなくさ)くなるからわざわざ鎖を掴みたくないな」という程度の岩場。

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途中には信徒休憩所、、、

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大師堂、、、

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鐘堂がある。

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ここからまた岩場。

ルートの横にはいろは歌の石碑が順番に並んでいる。

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ここは荒れた石段という程度のレベル。

みんな軽々と登っていく。

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最後の踊り場に到着。もうお堂はすぐそこに見える。

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この踊り場の右側には小さな洞窟があった。

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ハシゴで登るようになっている。

あれ~? 先に行った人たちはみんなスルーか? 何でこんな面白そうな所に入らないの?

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内部は古墳の横穴式石室の羨道と石室みたいに、2区画に分かれていた。

ここは羨道部分。

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ここが石室部分。

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洞窟から外を見たところ。

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最後の踊り場はお堂の真下なのだが、そこからお堂へ入ることはできず、なぜかルートは左の断崖のほうへそれていく。

そのほぼ垂直の崖から鎖が垂れ下がっていた。

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先に行った人がよじ登った。

ほぼ垂直なので、これは登山というより懸垂。部分的にはオーバーハングのところもある。

鎖の輪が大きめなのだが靴のつま先よりは小さいので足をかけることはできず、手の力だけで体重を支えなければならない。

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上まで行って、また、降りてきた。

どうやらこのルートは行き止まりのようだ。

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私も一眼デジカメ2本差しで頑張って登った。一番上には不動明王があるだけだった。

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さらに崖にそって進むと洞窟がある。

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奥に続いている。

入ってみよう。

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途中でカーブしているので、光がほとんど届かず、わずかな光だけを頼りに暗闇を進んでいく。

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これは人造の洞窟なのだろうね。海食洞がここまで複雑な形にはならないだろうから。

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クネクネと曲がった洞窟の出口は、なんとお堂の中だった!

このお堂には玄関口がなく、洞窟からしか入れない造りなのだ!!

すごいぞ小豆島のお寺、どうしてこういう事を考え付くんだろう。

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ところで洞窟の最後のほうに「幸せくぐり」というギミックがある。

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トンネルのカーブを短絡した小さな穴で、ここを通り抜けると幸せになるという。

ん~狭い。

高校生のとき東大寺の柱くぐりは抜けられたけど、もはやこれは無理そう。デジカメなどの荷物もあるし~。

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穴の出口側。

2人で来て、引っ張ってもらったら抜けられるかな・・・。

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本堂の内部。

暗くてよく見えないけれど、四天王がいて、本尊は不動明王だそうだ。

お堂の奥壁は天然の崖で、このお堂が洞窟の中にあるということがわかる。

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内部には護符売り場などがあり、寺男が常駐している。

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これは奉納された指輪。

右側のところから指輪を購入して左手中指につけておき、願いがかなったらこの寺に返しにくるのだという。

その返却された指輪が山になって積まれていた。

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祈祷を申し込むと、本堂の内陣に入れるようだ。

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お堂の欄干から下を見ると、登ってきた岩場が見える。

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左手には、昨夜、農村歌舞伎を観た中山集落の方面の谷が見える。

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本堂の右側の崖にも鎖場のルートがあって、さっき鎖に登っていたお兄ちゃんが途中まで登っていた。

でも結局最後まで登らずに降りたようだ。

このルートはお堂の中からは行けず、いったん最後の踊り場のところまで戻って登り返さなければならない。

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私も登り返して入口まで行ってみた。

ここからは「自己責任」ということらしい。

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最初のあたりは鉄筋のカスガイにしがみついて登っていく。

ほぼ垂直だが、カスガイがあるのでハシゴを登る要領で登れるので難しくはない。

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お堂の屋根を越えた。

屋根の上には「踏むな」の注意書き。

なんだか飛行機の主翼の上の注意書きみたいだ。

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ここから先は鎖を頼りに岩の割れ目をはい上がっていく。

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足場はしっかりしているのだが、狭いのでカメラががちゃがちゃと岩に当たって進みづらい。

手荷物がなければもっと楽に登れるんだろうけど。

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最後の割れ目には「 尻もちつくな」という注意書き。

岩の割れ目にハマって抜けなくなった人がいたのだろう。

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ふもとから見えていた石造十三重の塔のところへ出た。

この塔、九輪が青銅製。避雷針も兼ねているのかもしれない。

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ここからの眺めは最高。

太麻山から瀬戸内海までが見通せる。

手すりもないというのがすごいね。

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尾根を少し進むと妙見堂があった。

このお堂のところまでは別の登山道で来ることができるようなので、お寺の鎖を登らなくてもここに到達できる。

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2008年に再訪したとき、途中の鎖と本堂の右の行者ルートは使用禁止になっていた。2006年ごろが登れた最後のタイミングだったようだ。残念だけれどお寺が禁止する以上はしかたがない。

私たちは「見られなくなる前に見ておく」という以外にできることはないのだ。

(2006年10月09日訪問)