安中市の郷原に炭酸鉱泉があるというので見に行った。
磯部名物の炭酸煎餅「磯部煎餅」を作るための源泉としても使われているということで地元ではわりと有名らしいが、他の市町村に住んでいる人にはほとんど知られていないのではないだろうか。
案内などは一切ないため、場所はかなりわかりにくい。目印は写真の奥の坂の途中に見えるガードレール。
このガードレールの始まりのところから、脇の茂みを下りて行くと源泉がある。
これがその源泉。
鉱泉水は垂れ流し状態で、炭酸カルシウムと思われる沈着物が井戸の周囲にうずたかく積っている。
この井戸は明治時代にボーリングで採掘されたもので、個人の持ち物だが、現在まで厚意で開放されている。
コポコポと、かなりの勢いで炭酸ガスが湧き出ている。鉱泉水を飲泉カップにくんで飲んでみたら、しょっぱいサイダーという感じだった。
ガスに比べ、あふれ出ている水の量はわずかで、温泉宿を経営できるほどの量ではなさそう。それが今日まで、このように放置されていた理由なのかもしれない。ちなみに、この井戸のすぐ北側には安中市の採水施設があるようだが、市が鉱泉水やガスを何かに利用しているという話は聞いた事がない。
付近にある磯部温泉や松井田町の周辺では、ほかにもいくつかのガス井がある。かつて炭酸ガス井を使った歯磨き粉工場が操業したこともあった。
現在でも自噴地があるようなので、そのうち探しに行ってみようかと思っている。
(2013年07月21日訪問)