正源寺

奥羽本線に面した楼門。参道を線路が横切る。

(山形県真室川町新町)

旅の4日目の行程は秋田県の南部からスタートした。秋田県の雄勝町では小野小町の伝説の地を見たあと、縄文時代の穴居遺跡とか院内銀山といった“洞窟系"のスポットを見学したが、写真を撮っても薮しか写らないし、特に面白いものも見られなかったので、話は少し飛ぶことになる。

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山形県に入るとしばらくは山道が続き、これといった見どころもない。

次の目的地新庄市まではまだ距離があり、あまり長い距離を走るだけというのも面白くないので、途中でどこかに立ち寄ることにした。谷口銀山という江戸期の廃鉱があるらしいが、先の院内銀山があまり面白くなかったので、寺を見ることにした。

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そんなわけで、山形県で最初に立ち寄った寺が正源寺。

最上川の支流(鮭川)に沿った地形で、山と川とに挟まれた僅かな平地には道路とJR奥羽本線の鉄道とが並走している。

その僅かな平地に寺は山を背負って西面している。総門と山門のあいだ、参道の中ほどを線路が通っており、踏み切りを渡らないと境内に入れない。

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線路が参道を横切るというのは、川沿いや海沿いの寺でたまに見かける。だがそれよりも、寺と踏み切りというシチュエーションで奈良の薬師寺を思い出してしまうのは私だけだろうか?

堂宇は総門、山門、本堂、庫裏、観音堂。

(1999年08月25日訪問)

日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり

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飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修)
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