ヤビツ峠へ登る車道。ヤビツ峠は丹沢登山の拠点でもあり、また、カップルが夜景を見るための展望の地でもあり、走り屋がワインディングロードを求めて夜な夜な走る道であり、クルマやバイクで林道を走るのが好きな人にとっては宮ケ瀬ダムまでの快適な縦走路の入口でもあったりする。
途中にはセンターライン上に石鳥居があり、この道がかつて大山(阿夫利神社)へ登山道であったろうという歴史も感じさせる。大山には富士山との両参りの信仰があったから、足柄方面から来ると伊勢原側の登山口よりもこちらのほうが近かったはずである。
宝蓮寺はその古道が、ヤビツ峠へ登る車道と分かれる、まさに大山への登り口にある寺である。手近にある書物を調べたかぎりでは、大山登山と宝蓮寺との関係について書かれた直接的な記述は見つからなかったが、地理的に言えば間違いなく大山の登山口にあたり、山岳密教的な色合いを抜きに語ることはできないはずである。
現在は臨済宗であるため、由緒として山岳信仰や密教とのつながりを強くアピールしにくいのかも知れない。
境内は、車道を挟んで南北に分断されている。この写真は南側にある本坊エリアで、本堂(写真)、玄関、庫裏、鐘堂などがある。
西相模は平将門の伝説を色濃く残す土地であるが、将門の弟将文がこの地で相模地方を治めたとか、将門の娘が将門の死後この寺に潜伏したのち福島の恵日寺へと落ちのびたという伝説がある。
書院か。
電話ボックスのような、アルミとガラス製の仏堂があった。
鐘堂。
ここまでの写真を見ても、宝蓮寺は山里のしっとりとした感じのいい寺だということがわかるが、このページで紹介しているのは境内の南半分、左図の本堂の部分だけである。
宝蓮寺の本領はむしろ北側の境内にあるといっていい。
引き続き、大日堂エリアを紹介する。
(2001年06月03日訪問)