私の旅でめったにないことが起こった。昼のうちに宿を予約、日が暮れないウチに宿に到着したのである。
いったん部屋に入り、デジカメのバッテリーを充電器にセットしてから外出した。宿にも食堂があり、夕食は食べられたのだが、せっかくなので寿司屋にでもと考えたのだ。
その前に、宿の近くの公園に行ってみた。音戸の瀬戸公園である。
公園は自動車がなければ行けないような山頂にあり、夕方ということもあって誰一人いなかった。
園内には木造の二重塔(手前)と、観月舞台(奥)があった。なんだか寺を紹介しているみたいだ。
二重塔は、三重塔が予算不足で二重になったような中途半端なシルエットで、正直あまり美しくない。
とはいえ、この塔を作るにも1億円くらいはかかったのだろう。周囲は猫の子一匹入らせないというような異常な感じの鉄柵で囲まれていた。それがさらにこの塔の見栄えを悪くしている。
こんなことをするなら木造建築など建てず、ポストモダンのコンクリのモニュメントでも建てればよいものを。
隣にあった観月舞台は、登ることができた。
ところで、東京の多摩川園だったか二子玉川園だったかにもそのむかし観月舞台があったというような話を聞いたことがあるが、もしかして公園に舞台を作るブームってあったのだろうか。
舞台からは音戸の瀬戸(海峡)がよく見える。
写真の解像度の関係でわかりにくいだろうが、中央に赤っぽく見える部分が音戸大橋という橋である。
音戸大橋については、かなり語りたいことがあるのだが、明日の朝に再訪する予定なので、そこで改めて書くことにしよう。
今夜は音戸大橋の夜景を紹介するに留めておく。
このあと、音戸大橋を渡って対岸の倉橋島、さらに、橋を渡って江田島へと移動。途中、何軒か食事のできそうな店を見繕っていく。
実はこのとき食事処よりも、大きめのドラッグストアを真剣に探していたのだ。今日の行程ではなるべく体力を温存したつもりだったが、それでも筋肉の芯から疲れが溜まっている感じがする。ドラッグストアで筋肉痛と疲労回復に効果のあるあらゆる薬を購入したい気分なのである。疲れたとき「サロメチールの風呂に入りたい」などと言い出す友人がいて「アホか」と思っていたが、今ならその気持ちはよくわかる。運良くドラッグストアが見つかり、ゼナやらバンテリンジェルなどを購入し、ついでに近くの寿司屋で貝料理を食べた。
その後は、立ち寄り温泉などは探さず、素直に宿に戻った。明日のために早めに回復したかったからだ。宿の風呂でよく体をほぐし、風呂上がりに体中あらゆる筋肉にバンテリンジェルを塗り込んで早めに寝たのだった。
(2002年08月28日訪問)