サッセビーチ

モン州南部の定番の海水浴場。

(ミャンマーモン州タンビュザヤ)

写真

チャイッカミを訪れたあと、近くにあるサッセビーチという海水浴場へ向かった。

チャイッカミへ行くと聞いていたので、当然、サッセビーチにも行くんだろうと予測して、ズボンの下に海パンを履いてきている。それほど、チャイッカミとサッセビーチは定番の観光先なのだ。

写真

南の国のリゾートビーチというと、ヤシの木が並ぶコテージのプールサイドで、冷たい飲み物を飲みながらビキニ姿の美女を眺める・・・というような映像が浮かんでくる。

でも、ここにはヤシの木も、プールも、ビキニの美女もない。私が以前住んでいた徳島の海水浴場と区別のつかないような田舎の海水浴場なのであった。

写真

海岸沿いにある海の家も、日本で見る海の家そのものといった風情。

なんだかとても落ち着く。

写真

職場の面々は砂浜に面した貸席で、持参したお昼ご飯を広げ始める。この日はアヒルを一羽つぶし、夜明け前から、カレー料理を準備してきてたらしい。

ご飯も大量に炊いて持ってきている。

カレン料理は基本的にほとんどがカレーだ。海水浴に来てもそれは変わらないのである。

写真

彼女らが作るカレンカレーは日本人の口にあわない(辛すぎる)みたいなので、アヒルは味見させてもらうだけで、海の家の料理を注文した。

写真

海の家の料理も結局はカレーなのだが。

初めて入る店で私がよく頼むのがエビのカレー。エビのカレーには prawn と shrimp の2種類があり、別の料理として区別される。これは prawn のカレーで、トマトやタマネギと一緒に煮込んであるので、あまり辛くないし小骨もなくて食べやすいので、失敗が少ないと思う。ヤギ、ブタ、鶏、魚などの他のカレーに比べると多少高級。値段はたぶん350円くらいだったと思う。

写真

食事が終わってから、少し泳ぐことにした。

これはビーチの南の方をみた風景。

写真

こちらはビーチの北の方の風景。

遠くにお寺が見える。

江ノ島チックだ。

写真

海水はぬるく、水はあまりきれいではない。タイヤチューブの浮輪を50円でレンタルして、しばし波に揺られたり、泳いでみたりしたがすぐに飽きてしまった。

そもそも私は海水浴はほとんどしたことがない。海と言えばシュノーケリングやダイビングで魚を見るのが楽しみなのであって、ただ波とたわむれるというのは性に合わないのだ。

写真

海から上がって海の家でぼんやりしていたら、職場のスタッフがバイクを持ってきた。

「ハーイ、レンタルバイク見つけちゃった!!」

写真

料金は150円。私も早速レンタルして遠くに見えた寺を目指すことにした。

湿った砂の上は思ったよりも走りやすい。浜辺をノーヘル、二人乗りで疾走。これは最高の気分。いまこのビーチでできる遊びではこれが一番かもしれない。

しばらく走ると、あたりの空気が魚の干物の匂いに充ち満ちてくる。

写真
写真

もはやビーチリゾートという雰囲気はいっさい感じられず、魚臭い漁村の風景である。

海岸から堤防も防風林もないまま漁家になっているが、台風や高潮などは大丈夫なんだろうか。

写真

3 kmほど走ったら、河口に行き当たってしまった。

近くには橋もないのでお寺まではバイクで行けそうにない。

とりあえず、向こう岸に見えるパゴダまで行ってみよう。

写真

バイクを置いて歩いて渡河。

川はけっこう深いうえに水の流れがよどんでいて気持ちが悪い。

「ぎゃーっ、魚の死骸踏んだ!!」

写真

小さな仏殿とパゴダ。

海が荒れたら波をかぶりそうな場所だ。

写真

仏殿の内部。

写真

パゴダ。

潮風にさらされているからか、金色のペンキが剥げかかっている。

写真

パゴダを拝むお坊さんの像があった。

あまり見かけないタイプの像だ。

写真

岬の裏側でも大量の干物を作っており、先ほどまでよりさらに魚臭い。

お寺が見えたが、ここからまだ片道 1 kmはありそう。個人で来ていたなら歩いたと思うが、きょうは団体行動なのでここまでであきらめて戻ることにした。

写真

あとで地図を見ると、サッセイェール寺院という名前らしい。

写真

海の家へ戻る。

写真

脱衣所。

ホテルをのぞけば、ビーチ全体でたぶんここ1箇所だと思う。

写真

利用料は50円。

中は中心に貯水槽があって、そのまわりで洗面器で頭から水をかぶる。水は新鮮な井戸水が充分に注がれているので存分に使える。

男性も女性も成人は他人のいるところでは全裸にはならない。水を浴びたり着替えたりするときには、ロンジー(巻きスカート)を使ってカラダを隠しながら水を浴びる。ロンジーは日常で履かなくても1着持っていればこういうときに便利だ。

これがミャンマーの南東部で一番人気のビーチである。いまはまだ地元の若者が遊びに来るような気軽なビーチだ。ここもあと20年もしたら、ずいぶん違った風景になっているかもしれない。

(2014年11月15日訪問)