チャイタンランパゴダの北参道である。奥にエレベータが見える。
その北参道の先は途中から回廊というか、アーケードになっている。
その回廊は途切れることなく隣のマハミャムニ寺院へと通じている。
もしかして、提携しているのか、あるいはどちらかが本坊で子院なのか。
回廊の途中にある塔が華麗だ。
『地球の歩き方』によれば「全体はモン様式で建てられている」「モーラミャイン最大の寺院」とあるが、どちらも釈然としない。ほとんど同じ記述が『lonely planet』にもあるので、そちらがオリジナルかも知れないが。
たとえばこの塔の装飾は、モン風というよりビクトリア様式とミャンマー建築の折衷といったところではないだろうか。
「モン様式」という言葉の使いかたとして、まずバガン王朝の石造寺院群における分類があろうかと思う。だがそれは少し話がずれるので置いておく。
柱梁構造(=木造)の建築物における「モン様式」という言葉を考えるとしたら、屋根の架構は寄棟で、その上に切妻屋根を多層に重ねてゆくものが該当するのではないかと思う。
たとえば、このチャイタンランパゴダの参道にある建物だ。
内部においては、天井の角に面取の角度をつけた折り上げ天井風の構造が特徴のように思う。
また、天井や壁面に、家紋の「
たとえばこの回廊の天井が該当する。
本当のところは、ミャンマーのネイティブな建築学者などに聞いてみないとわからないとは思うのだが、私の感覚ではこのマハミャムニ寺院が特にモンの特徴を備えているようには思えない。
何をもってモン州らしいかというのは、これからモン州の寺院を多く見ていくうちにもう少し考えてゆきたい。
さて、回廊の塔の下には面白い天蓋がある。
細かいところはかすれてしまって見えないが、八曜日の神様とその方位を表している。
山門もあるが、回廊はその横を通過する。
本堂は正方形の間取りの中央に双塔を載せた作り。
その周辺にもミャンマー・ビクトリア折衷様式の建物がいくつかある。
本堂へ行ってみる。
私が入った入口側は内陣が閉まっていた。
でも人の声がするので回り込んでいったら、ちゃんと扉が開いている箇所があった。
正方形の平面の建物の内部に、もうひとつ正方形の部屋がある。
その周囲が回廊になっている。
この回廊の写真で水色に見える天井の収め方が、モン州に多いと私が感じているものだ。
本尊はマハムニタイプ。
って! さっきもあったよね。このパターン。
完全にウカンディ寺院とかぶってるんだけど?
こっちのほうが豪華とはいえ、こんなに近距離に同じコンセプトの寺が2つも必要なのか。よくわからない。
内陣は金色の目地のモザイクミラーでキンキラキン。見ているとめまいがしてくる。
あまりの神々しさに思わずお坊さんも本尊の写真を撮ってしまうほど。
この寺の境内は西側の斜面にも広がっていて、まだ造成中の庭が見えた。
ベンチくらいはあるが、やや荒れた感じ。
その西斜面には参道もあったが、降りても何もなさそうなのでパス。
この寺までで、モーラミャインの寺町巡りはいったんおわり。
丘陵の西側に広がる市街地を通って、パアン方向に戻ることにする。
丘陵の東側斜面にもまだ寺がありそうな気もするが、それはまた今度の機会としよう。
(2015年04月19日訪問)