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チャウセットーヤ僧院で教えられた道を通り、隣りの巨大寺院へと向かう。
正規の参道から入らなかったためか山門などもなく、いきなり山道となる。人もおらず、寺の名前はわからなかったが、あとで調べたところ、この山はたぶんテッカ山であろうと思う。
さきほど訪れたアランタヤパゴダはカリスマ僧侶アランタヤー僧正の呼びかけで1952年に着工、多くの信者の喜捨によって1973年に完成した。
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その後、アランタヤー僧正はこのテッカ山に移り、新たな寺の造営に着手したが、体調を崩し、1995年に亡くなったという。
この山全体に広がる巨大寺院が僧正が晩年を過ごした寺だと思われる。
少し高度が上がると、寺の参道が見えてきた。この参道から入ってくればよかったのだ・・・。
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急な坂をしばらく登ると、
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その室内は薄暗く、暗がりの中でパゴダを拝観するという独特の雰囲気を持っている。アゥントームパゴダはその極地といってもいい寺だった。そのアゥントームパゴダの一角で、パオ族のシンボルを見た。パオ族はミャンマーの少数部族のひとつで、頭にタオルを巻き、黒づくめの衣裳をまとう人々だ。
アランタヤパゴダを建設したアランタヤー僧正もパオ族である。この鞘塔の建築が持つ世界観はもしかするとパオ族、もしくはアランタヤ僧正に関係するのではないか。
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この鞘塔のある中腹には、他にもいくつもの建物があった。
モン州でよく見るモン様式ではなく、アランタヤパゴダで見た塔頭と似た様式だ。
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大きな僧房もある。
ただし、層塔から見ると見おろす位置にあって、本来は徒歩の参道で登ってくるとこの僧房に行き着くのではないかと思う。
私はオートバイで登ってきたので、僧房の上に出てしまったのだ。
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中腹の鞘塔から先は、ひときわ道の斜度がきつくなってくる。
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しばらく急坂を登ると、山頂についた。
山頂には大きな露天のパゴダと鞘塔があった。
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めずらしく鞘塔の戸が開いている。
中に入ってみよう。
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内部はこんな感じ。
すぐ横にある露天のパゴダを縮小したような塔が収められていた。
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つづいて、露天パゴダへと登ってみる。
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金色が少し剥げかけているが、晴天の下でまばゆく輝く姿は、ミャンマーらしい風情があり、気持ちが落ち着く。
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山の上のせいか、太陽に近いような印象の場所だった。
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このパゴダには僧房が接続している。
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僧房は斜面にせり出す懸崖造りで、その周囲には視界を妨げる樹がないため、建物からは風景を一望できるだろう。
アランタヤー僧正もこの僧房から風景を眺めたのだろうか。
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山頂から南の方向を見てみる。高解像度で載せているので、拡大してみてほしい。
① 視界の中央をタトン山脈が横切っている。山脈の裏側方向はカレン州である。私が滞在しているパアン市もこの方向。いくつか小山が見えるがそのひとつがバーインニィ洞窟寺。境内に無料の露天風呂がある。
② パアンとタトンの間にある山々。今回はこの山々のいくつかを訪問する予定だ。
③ アランタヤパゴダの山上伽藍。さきほど訪れた山だ。
④ アランタヤパゴダの中心伽藍の巨大仏塔。
⑤ タトン市内にあるミャザベィパゴダの山上伽藍。かつてここには登ったことがある。
⑥ タトンの中心部にあるシュエサーヤンパゴダ。タトンを代表する巨大パゴダだ。
⑦ 国道に面した小さなお寺で満月祭をやったのだろう。移動観覧車が見える。
⑧ ヤンゴンからモーラミャイン方面に通じる鉄道。タトン市から分岐し、パアン市方面へ伸びる支線があるが現在は運行していない。モン州の州都モーラミャインは⑥の方向にある。
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パゴダの横には、日本の神社の末社アパートを思わせる建物があった。
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その内部。
祀られているのはナッ神などではなく、仏陀である。
そういえば、アランタヤパゴダでもこのテッカ山でもナッ神っぽいものは見かけなかったな。
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山頂にはまだいくつもの建物があるのだが、もうすべてを回る気力はなく、ここから眺めるだけだ。
ダメだなぁ・・・こんなことでは。
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あそこにも3の繰り返しがある僧房が見える。
アランタヤパゴダの仏殿や講堂でみかけた様式だ。
![写真](25tekka30.jpg)
見おろす山の斜面にもまだパゴダがあるようだが、ここから道があるのか不明。
いま行かないということは、もう私がこれらのパゴダを訪れることはないのだろう。
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下山して、他の伽藍をチェック。
山麓には僧院っぽいものが並んでいたが、林の中で写真が撮りようもないのでほぼスルー。
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境内の北の外れに大きなパゴダがあった。
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基壇がシンプルな八角形。
山頂にあったパゴダと同じスタイルだ。
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基壇に漆喰を塗っている男たちがいた。
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パゴダとペアになるタコンタイ。
上部に向けて逓減している石柱は初めてではないか。
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巨大なドラと鐘つき。
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扁額には「テッカーシュエポゥプィン寺院」とあった。このあたりは、ひとつひとつが別の寺なのかもしれない。
アランタヤパゴダにしても、ここテッカ山にしても伽藍が多すぎて、「寺では基本すべての堂をチェックする」という私のポリシーはいとも簡単に打ち砕かれたのだった。
(2015年11月28日訪問)