忠岡町の北出公園から岸和田市の北公園の距離は約2km。「北出公園」、「北公園」と一字違いなので紛らわしいのだが、どちらにもタコが存在する。どうやらこの地域はタコの密集地のようだ。
北出公園からは5分とかからずに到着したが、時刻は5時15分。もう通行人の顔もハッキリ見えないような“めそめそどき"である。こんなに遅い時間だというのに、少女が二人、お父さんとタコで遊んでいた。
デジカメのISO感度を800まで上げても露光時間は1秒。でも最近おそい時刻に撮影ばかりしているので段々当たり前になってきた。もっとレンズの明るいデジカメが欲しい。
タコは初めて見る標準+盾装備タイプ。滑り台保存館#426で同様のタイプが報告されている。中ボスタイプへの進化の過程にある姿と考えられるため、この2つの物件の比較することで年代測定の決め手となる特徴と、決め手にならない特徴が浮かび上るかも知れない。
中ボスの盾にはカスガイがあるものが一般的だが、この盾にはカスガイがなく吸盤になっている。この点は#426と共通する部分である。
だが #426 が輪郭に丸みを帯びた印象であるのに対し、本物件はエッジが強く立っている印象がある。また #426 には唇があるが本物件には唇がない。このことからエッジ感や唇の有無は年代測定の基準にはしにくいということが言えるだろう。
盾は口のスロープ側に扇のように広がっていて、口のスロープから滑り降りると壁のように立ちはだかっている。#426 ではこの部分に工夫があり、滑らかにY分岐しているように見受けられる。このあたりの設計はまだ固まっていなかったのであろうか・・・。
タコの目と鉢巻きは成形されている。#426も同様の特徴を持つ。
盾装備と目の成形には機能的な関連性は考えられないから、#426 と本物件は時代的な関連性をもつものと考えてよいはずである。
アーチの部分には他では見られない独特のエッジ(矢印)がある。
吸盤は大きめで、各部位についている数も #426 と同じである。
横から見ると盾がとても薄く施工されていることがよくわかる。
うなじの穴に登るカスガイ部分がえぐれているのも #426 とよく似ている。
うなじの穴は円形である。
あたりは刻一刻と夜の闇につつまれていく。いくらなんでも手持ちで撮影できる時間帯はもう終わりだろう。実質的にタイムオーバーである。
この時点で残るタコ候補は和歌山県境に近い3ヶ所。急いで次のポイントに向かってもしょうがないので夕飯を食べて、宿泊するかこのまま次のポイントに向かうかを考えることにした。
(2003年12月30日訪問)