岸見の石風呂も重源が伝えたといういわれをもつ、徳地町を代表する石風呂だ。
国の重要有形民俗文化財に指定されている。
風呂は昔風に茅葺きに復元された建物の内部にある。
石積みと土壁で作られた立派な石風呂だ。
周囲にはムシロや籐まくらなどが置かれていて、使用感がある。単なるお飾りの文化財ではなく、実際に使用可能であることがすばらしい。
扉は開き戸になっていて簡単に出入りできるの中に入ってみた。
内側は石積みがむき出しになっていて、熱で赤く焼けている。床にはムシロが何枚も重ねて敷いてあった。
天井をみたところ。
建物の一角は畳敷きになっていて、祭壇がある。ここには重源を祀っている。
その重源の命日である旧暦6月5日を開山忌として、石風呂に入る風習があるという。そのあたりが国指定された理由だろう。
風呂のまわりに使用感があるのも、いまでも年一度実際に火入れしているからではないか。
建物の横には薪が積まれていた。
石風呂の加熱には、松葉や柴などを使うという話をよく聞くが、ここではこんな立派な薪を使うのだろうか。
すぐ裏手には沢水が流れていた。この水で汗を流したのかもしれない。
(2003年09月04日訪問)