伯耆大山の登山ルート、県道24号線。大山寺付近からガソリンスタンドを求めて米子を目指していたとき、道ばたの段丘の上に朱塗りの巨大な伽藍が見えた。
かなり気になったのだが、ガソリンが優先で通り過ぎるしかなかった。
こういうふうに、気になったのに通り過ぎるということは一度や二度ではなく、縁がなかったと考えることにしている。
だがそのあと大神山神社の里宮まで戻ったのだからあと一ヶ所、大山で見た寺まで戻るかということになった。
その寺は、米子念法寺。大正時代に設立された念法眞教という新興宗教の宗派の寺である。
山門は門扉付きの棟門。門扉のモーメントが柱にもろに掛かるから木造ではちょっと考えられないが、RC造であれば可能なのだ。
新興宗教というとどことなく排他的という先入観で気後れしてしまうのだが、山門には「毎月三日、十九日 お祭日です。気軽にお参り下さい」とあって一安心。
時刻は18時近くなっていたが参詣することにした。
本堂はRC造で正面7間とう巨大な建物。
手前の軽自動車と比較しても本堂が大きな建物だということがわかるだろう。
本堂の左側には玄関。
そのさらに左側には衆寮と思われる建物があった。
衆寮からは渡り廊下がつながって、客殿と庫裏がある。
新宗教といっても、伽藍構成に特に奇抜なところはなく、知らなければただの大きな寺という感じだ。
ほかに、境内には東司があった。
さすがにこれで今回の旅はおわり。これから徳島まで帰らなければならないのだ。
途中、湯原温泉の「砂湯」に入っていく。砂湯は無料の露天風呂で、24時間入れるという旅人にうれしい温泉。混浴ということもあり、時間が遅いほうが気がねもいらない。
その後夕食を食べようかと思っていたが、夜の湯原にはあまり外食できる店が見当たらず、食堂を探してダラダラと真庭市まで来てしまった。こうなるともう中途半端に高速道路を使う気もなくなって、高梁、倉敷、宇野と勝手知ったる下道を通って、毎度の宇高フェリーの利用ということになる。徳島に着くのは夜明け近くになるだろう・・・。
(2005年05月04日訪問)