先ほどの僧院と同じ並び、AH1号線に面したところにある別の僧院、ミャインカレイ僧院。
やはり国道沿いに総門がある。
このような板状の飾りを載せた門を、当サイトでは逆さ
逆に参詣して楽しめる寺の山門は、梁の上に小さな仏像や動物の像が並んでいたり、小さなパゴダが載っているなど、造形が具体的で楽しい雰囲気になっている。
したがって、道ばたに逆さ懸魚型山門があっても、いちいち入ることはない。
だがこの寺に関しては、国道を通るときに気になっていて、いつかは行くことになるだろうと思っていたのだ。というのも、伽藍の屋根が木造の小屋組みで、遠目に古そうな感じに見えるし、屋根の形が特徴的なモン様式だからだ。
もしかして木造本堂のマンダレーのシュエナンドー僧院みたいな寺なんじゃないかなど、勝手な妄想を抱いてしまっていた。
でも参道を進んでいくうちに、木造なのは小屋組みだけで、骨格はレンガとモルタルの組積造だということが見えてきた。
純木造を期待していたので、ちょっとがっかり。
山門を入るとすぐに回廊になっている。
回廊は途中から右に分離して奥のほうにある僧房と思われる建物に続いていた。
いっぽう手前に見える講堂は2階建てで、外部に不思議な独立した塔屋のようなものがついていることに気付いた。
これ、何なのだろう。
もしかして2階のトイレ?
モン様式の寺の講堂は、このように2階建てが多く、外部の階段から2階へ登るようになっている。
1階は物置とか車庫のケースが多く、あくまで高床的な建築だと私は思っている。
2階へ登る階段。
この階段の屋根の作りは、私がモン様式の屋根の特徴と考えているもの。当サイトでは多層切上げ屋根と呼んでいる。
その下の小壁に見られる相似四角形の紋様もモン様式の寺でよく見られる。
階段を登ってみよう。
2階の入口にシャッターがあって閉まっていた。
カギがかかっているわけではないので開ければ入れるが、やめておいた。
野良犬の侵入防止のシャッターだと思う。
シャッターから中をのぞいてみた。
続いて、講堂の奥のほうにパゴダが見えたので行ってみる。
途中からは僧坊方面からの回廊がある。
パゴダはシュエダゴンパゴダスタイルで、僧院付属のパゴダとしてはかなり立派。
一応参拝して、自分の守り本尊である牙のないゾウに礼拝。
パゴダの横には小さなお堂が2つあった。
パゴダの塀の外なので、パゴダ拝殿とは見なさず、独立したお堂と考える。
小さいほうのお堂の内部。
ミャンマーで最もポピュラーな、白い大理石の肌の触地印の座像。
こちらは長方形の建物。
中には寝釈迦があった。
そのさらに先に行くと得度堂がある。
得度堂は境内の隅のほうにあることが多いな。
堂の周囲にある結界石は自然石だった。
得度堂の内部。
パゴダの裏にさらに小さいパゴダ。
あれ? いま気付いたが大きいパゴダには対になる石柱がないみたい。もしかしてこの小パゴダが石柱の代わりなのか?
パゴダから戻る方向。
こんどは左側に見える黒っぽい建物に行ってみる。
この建物は他の建物と回廊で繋がっているので、雨季でもドロドロにならずに移動できるし、乾季や暑季で焼けたコンクリの上を歩かなくてもすむ。
こちらもの建物にも入口に柵がある。
内部をのぞいてみると、天井がない吹き抜けの構造で、広大な一部屋の建物だった。
修行僧が寝起きするための僧房、もしくは、食堂を兼ねた建物ではないかと思う。
(2019年02月25日訪問)