パヤトンズ街道の茶店

バテ気味でまた兵糧補充。

(ミャンマーモン州チャイマロウ)

写真

パアパゥン洞窟から1時間走り続けている。パヤトンズ街道は舗装された幹線道路なので、ここ30分で距離はかなり稼いだ。

時刻は4時半になるが、まだ日差しがきつくてバテぎみ。このままだと軽い熱中症になりそう。道ばたに流行ってそうなかき氷店があったので入ることにした。

場所はクヮンチュカラ村か。

写真

1時間前にもかき氷を食べたばかりなのだが、もう一杯食べておかないと身体がキツイと言っている。とにかく体力を消耗しているし、帰路はまだまだ長いのだ。

氷かきは手回し式。日本で見かけるものと変わりはない。かき氷(ジィゲートゥ)を食べるには、この機械と手前のシロップ類が並んでいる店をさがせばいい。

写真

ピーラーでココナッツを削っている。めずらしいトッピングだ。

この店の特徴は氷の下には何も入れずにすべてのトッピングを氷の上に載せることだった。

これまで私が食べたジィゲートゥは、氷の下にビスケットなどの炭水化物系のトッピングが入るものばかりだった。

写真

仙草ゼリーとビスケットが氷の上に載る。

写真

さらに砕いたピーナッツ。

写真

その上からシロップ。

御当地では緑色のシロップはメロンフレーバーという意味ではなく、ミックスフルーツを意味する色だ。

写真

最後に練乳をたっぷり。

ミャンマーでは練乳が日常的に使われる。コーヒーや紅茶に入れることが多いからだ。ブラックコーヒーというのはあまり飲まない。

写真

出来上り。

炭水化物と糖質と冷たさが疲れた身体にスッと入っていく。

私があまりもガツガツ食べていたからだろうか。残った氷を砕いて、コップに氷水を作って持ってきてくれた。これは驚きの体験。日本では当たり前のように聞こえるかもしれないが、氷の入った水が喫茶店で出るなんてミャンマーではほぼ体験できないことだ。

この村を過ぎると、(仮称)ムドン山脈に突き当たる。この山脈はアトラン川河口のモーラミャイン市からタンビュザヤ町まで南北に80kmほど続く山並みだ。往路では河口からアトラン川にそって遡上したので平坦地だったが、帰路ではこの山脈を越えて海側の国道8号線を目指す。

山脈を越えることができる峠は少なく、この村からムドン町へ向かう峠道はそのひとつだ。山脈の尾根づたいには多くの山岳パゴダがあり、これから越える峠にも大寺院が2つあるのだが、今回はスルーするつもりだし、今後もあえて手を付けないつもりでいる。

というのも、モーラミャイン市南側のムドン山脈と、北側の(仮称)パウン山脈には途方もない数のパゴダがあり、それらを巡ることは私がこれまでカレン州で紹介した寺院のすべてを上回る膨大なコンテンツとなるからだ。そしてそれらは、いま関心を持っている洞窟寺院巡りとは異なる景色との出会いとなるはずだ。

私が派遣されているカレン州のプロジェクトはもうすぐ終わりをむかえる。その後、もしミャンマーにかかわることがあったとしても、たぶん他の後進地域であって、モーラミャインのような都会にかかわることはないのだ。モーラミャイン山岳パゴダ群は私には永遠に手が届かないものとして、生涯心に残っていくだろう。

(2019年03月01日訪問)