北タトン山脈の山すそを巻いてみる。山脈に登れる道を探すためだ。ここはその候補のひとつ。
実を言うと、現在(2020年)のGoogleMapsには山脈に登る道が地図上で書き加えられているが、このときにはまだ実地の風景だけが頼りだったのだ。
道は直登でどんどん登っている。この道は期待できる。
途中でかき氷屋を発見。帰りに寄ろうかな。でもタトンまで来たらもっといいものもありそうだ。
僧院があった。
例によって地味な僧院なのだが、参詣用のパゴダが別に作られている。つまり僧院の敷地に入らずにパゴダだけに参詣できるというシステムなのだ。ありそうであまり経験がない。
小さなパゴダだが、専用の山門、対になるタコンタイ(石柱)など、仏塔の必要条件をよく満たしている。
このパゴダの特徴は、八曜日の守り本尊の動物が小さな石柱の上に載っていること。初めて見た型式だ。
いまさらだけど、この守り本尊とその方角について説明しよう。
ミャンマーでパゴダに参詣するとき、このパゴダのようにパゴダ拝殿がない場合、自分の誕生日の方角からパゴダを拝めばよい。そのとき方角がわからなければ、眷族の動物を目安にする。私は水曜日の21時ごろ生まれたので、北西から拝むか、牙のないゾウを探せばいいわけだ。(下図)
パゴダの入口が北側なので、北東のガルーダから順番に見ていこう。
ガルーダは日曜日生まれの守り本尊。ミャンマー語では「ဂဠုန်(ガロウン)」。
東は、月曜日生まれの守り本尊のトラ。ミャンマー語では「ကျား(チャー)」。
南東は、火曜日生まれの守り本尊のライオン。ミャンマー語では「ခြင်္သေ့(チンデェ)」。
南は、水曜日の午前生まれの守り本尊の牙のあるゾウ。ミャンマー語では「ဆင်(スィン)」。
水曜日は午前生まれと午後生まれで本尊が違うので、注意が必要。親に聞いておこう。もし午前か午後かわからないときは、好きなほうを決めて拝めばいいとのこと。
と、ここまでは、時計回りに日、月、火、水と曜日の順番なので次は木曜かと思わせるが、そうではない。
南西は、土曜日生まれの守り本尊のナーガ。ミャンマー語では「နဂါး(ナガー)」。
西は、木曜日生まれの守り本尊のネズミ。ミャンマー語では「ကြွက်(チュエッ)」。
北西は、水曜日の午後生まれの守り本尊の牙のないゾウ。ミャンマー語では「ဟိုင်းဆင်(ハィンスィン)」。
北は、金曜日生まれの守り本尊のモルモット。ミャンマー語では「ပူး(プー)」。
そして、仏塔とペアで立てられる石柱であるタコンタイ。
通常、タコンタイは1つの仏塔につき1本が立てられるがこのパゴダでは北西と南東の2本のタコンタイがあった。
仏塔に対してタコンタイが立てられる方位は、規則性はあまり感じられない。
パゴダの敷地から僧院の講堂と思われる建物が見えた。けっこう大きそうな僧院だな。下手したら寝釈迦でもありそうな大きさの建物。
でもさすがにパゴダがない僧院には寄らない。
(2019年03月17日訪問)