茂左衛門地蔵の奥の院へ向かう途中、5つの橋が同時に見られる場所があるというので車を停めた。
ただ駐車しやすい場所がなく、あまりゆっくり見られる感じの場所でもない。
自動車の橋である小袖橋は定礎が見つからなかったのでわからないが、どう見ても戦前の橋で幅員が狭く、現代の日本の自動車が対面通行できない。
そのため橋の前後の信号機で片側通行になっている。
小袖橋の上から赤谷川の上流を見ると、大きなアーチ橋が見える。これは水路橋で上流の上牧付近から取水した利根川の水を下流の岩本で本流にもどして発電するための用水路が通っている。
この水路はほとんどが地下を通っていて、地上に出ているのはこの橋の部分くらいだ。
利根上流のこうした地下水路や発電所は戦争中に朝鮮人や中国人の強制労働などで建設したものだといわれている。それを考えると、コンクリートにもう少し時代感があってもいいように思えるが、アーチ部分は補強したか、作り替えたのかもしれない。
橋脚の部分はその当時のものだろう。
アーチ部分に蜂の巣が下がっていた。
小袖橋があまりにも狭いので、通学する児童の安全のためにすぐ横に歩道橋が架けられている。
この歩道橋に立つと、上流の4つの橋がすべて見通せる。
ただし、3つ目の国道の橋は水路橋にほとんど隠れているので、橋脚以外は右側にチラッと見えるだけ。
一番奥のアーチ橋は上越新幹線の橋だ。
利根川左岸からみた黒岩八景の4つの橋。
土木技術の発展が一目でわかる風景。小袖橋がどんなに小さいことか。
赤谷川の下流方向。
赤谷川の水も岩本発電所へ送るため取水されているが、水量は豊富だ。
この界隈は黒岩八景という景勝地だというが、駐車場やビューポイントがあるわけではない。
橋のたもとには3階建ての崖屋がある。
橋の南詰めには水天宮の石塔があった。
(2021年08月23日訪問)