谷瀬の吊り橋

村人の出資で造られた実用橋。

(奈良県十津川村上野地)

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和歌山の海岸線、那智や新宮から奈良方面へ帰ろうとすると高速道は役に立たず、国道168号線を延々と走ることになる。

海岸線から2時間ほど、ぼちぼち休憩を入れようかというあたりにちょうどよくあるのが谷瀬の吊り橋だ。駐車場は有料だが橋の通行料はタダなので、他所の観光吊り橋よりはリーズナブルに楽しめる。

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なんで無料なのかというと、この橋は観光目的で造られたのではなく村民が子どもたちの通学や買い物の便のために架橋したもので、補助金を受けたとはいえ資金の大部分を村民が自腹で出資した実用のための橋であり公道なのだ。

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長さは約300mもあり、1954年に架橋されたときには日本一の歩道吊り橋だった。

その後、ふるさと創成とか町おこしなどで400m近い橋がいくつか造られているが、それらはしょせん遊び。実用のために造られたこの橋の魅力は1位を譲ったとしても微塵も色あせることはない。

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かつては子どもたちの通学路だったほか、郵便配達のバイクが渡ることもあったという。

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橋上の様子。

踏み板は真ん中にあるだけで両側は透けている。しかも梁は木製なのでけっこう怖い。

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橋の高さは50mあるという。

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橋の対岸の谷瀬集落。

崖にへばりつくような急傾斜の集落だ。

(2012年07月09日訪問)