谷中橋という橋が鴻巣方面から川島町谷中地区への近道になっていると書いたが、その町道を通っていると堤防上から大きな沼が見える。
鳥羽井沼だ。
近くまで行ってみると、沼の周りにはロープが張られていて荒れている。
なんだか悪い感じだ。
ひょうたん型の池は中央に太鼓橋が架かっているのだが、その橋に近づくことすらできないのだ。
過去のブログなどを調べると、かつてはこの場所は鳥羽井沼自然公園と呼ばれ、ファミリーで釣りができたようだが、2021年に閉鎖されたという。
自然公園というには葦などもなく、沼の全周が垂直の土留めになっていて、自然の生きものが世代交代するのはきびしそう。悪い言い方をすれば、都市型公園の噴水池みたいな構造。自然観察の場ではなく、基本的に釣り堀として機能していたんだろう。
沼の横の堤防には桜が植えられているので、花見の季節には利用者があるかもしれないが、現在、公園にはまったく人がいない。
さて、この沼を南側から見てみる。
沼の右側にあるのは荒川の右岸堤防。堤防が沼のところだけ不自然に膨らんでいる。そう、この沼は
堤防を修復するとき、昔の土木工事では決壊した場所はしっかりした根固めできなかったのだろう。堤防をずらして修復するので堤防が膨らんでしまうのだ。
沼を北側から見た様子。
沼に流れ込んでいるのは長楽用水の最下流部分だと思われる。
この沼は貯水池というよりも、川島町北東部の悪水が集まる場所なのだ。沼のほとりには排水機場があり、堤内地の水を川島排水路に捨てることができる。
川島排水路は最終的に市野川に合流している。
沼の中央、いまは通行止めの橋を渡ったところには神社がある。
社殿は水塚の上に建てられている。
2柱の神様が合祀されている。一目連大明神と九頭龍大権現だ。
九頭龍権現は戸隠の神で水を沈める神様。荒川水系では過去に堤防が破堤した場所に多く見られる。
一目連大明神は多度大社の神で天候を治める神様。この2柱のダブルパワーでなんとしても洪水を防ぎたいといことなのだろう。
右側が九頭龍権現。
内部は石祠。
左が一目連明神。
内部には神鏡が納められていた。
神社の横には水防倉庫。
断定はできないが、はやり過去に破堤した場所に造られる傾向がある。
駐車場にあった土地改良竣工記念碑。
かつてこの地域は桑園が広がっていたが、戦後繭価格が低迷して荒廃するに至った。そこで麦への転作を計画した。事業は110ヘクタールの土地改良に8年かかり、昭和62年に完成したという。
沼尻には排水機場と食事処がある。
食事処は営業していなかった。
公園が休業状態なので営業も成り立たなくなったのだろう。
続いて南側の前沼へ行ってみた。
こちらは沼というより、完全な管理釣り場。
魚種はヘラブナ。入漁料は1日1,500円。
きれいに護岸された釣り堀だ。
きょうは夕方なのでもう釣り人が帰るところだった。
野良猫が魚をねだって駐車場に集まっていた。
珍しいへら鮒供養塔。
碑文はなぜか転がっている。
大自然の中で君は へら鮒として生れた
或る時は養魚として 清流を友と遊び
或る時は濁流の中で 厳しい病や鉤に傷ついて
小さな生命を散らした君よ
私たち釣り人に 無限の喜びを与えてくれた
数限り無い霊魂の 冥福を心から祈り この碑を建てる
禎童書 昭和六十三年四月吉日
北側の閉鎖されていたエリアは2026年にグランピング施設がオープンするという。
(2022年11月22日訪問)
