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ホーム三陸縦断の旅(その4)福泉寺

福泉寺

仁王はニューギニアの仮面のような顔。境内を車で参拝可。

(岩手県遠野市松崎町駒木)

地図・MAP
 
   
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福泉寺へと向かう道から五重塔が見えてきた。以前に来たときにはなかったから、新しく造営したのだろう。なんて元気な寺なんだ。

福泉寺は遠野の観光スポットにあって、民話とか遠野物語と無縁な異端な存在だ。実際のところ定番の観光コースにも含まれているのかどうなのかも怪しいところだ。だが、私としては遠野に来たらぜひとも行きたいスポットなのである。場所はカッパ淵から北に2kmほど行った山麓で、わかりやすい場所にある。

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福泉寺は大正元年に創建された新しい寺である。そして第二次大戦後に「日本再建、世界平和、戦没者慰霊」の発願により中興されたという歴史を持つ。

入口の大駐車場に車を停めると、奇抜な竜宮門が目に飛び込んでくる。そもそも竜宮門というだけで奇抜なのだが、ペンキで塗ったような荒っぽい色彩と、単純な円弧を基本とした1階の作りによって、特異さがきわだっている。

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そして竜宮門の先には仁王門がある。竜宮門と仁王門は100mくらい離れていて、仁王門の付近にも別の駐車場があるようなので、仁王門までは車で移動した。

学生時代に来たときにはペンキ塗り立てという感じで、けばけばしい門だと思ったが、それも時代を経て少し落ち着いた感じになってきたようだ‥‥

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が、中の仁王はあいあかわらず強烈だ。

ペンキの塗り方うんぬんが問題なのでないということは一目見れば明白だろう。腕の長さと顔の長さがほぼ同じなのだ。

そしてその顔はパプアニューギニアのほうの仮面を思わせる。 

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吽形。

阿形ほどではないが、振り上げた右腕の力こぶあたりに、すばらしいおおらかさを感じる。

仁王門を過ぎたあたり(図の下部の中央付近)にあった伽藍配置図。

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堂宇の外観図が実際の位置(灰色のシルエット)と離れた位置に書いてあるので、わかりにくいのだが、山門、仁王門、子育て観音堂(=現在位置)、そのまま左側に進むと第1駐車場の前に庫裏(ピンクの寄棟屋根)、本堂、鐘堂、愛宕堂、クリーム色のS字型の道を上がって、途中に稲荷大明神、第2駐車場の前に、大観音堂、多宝塔、白衣観音、L字型のピンク色の参道を下って、毘沙門堂、五重塔、仁王門付近にある大きな建物は護摩堂。水色のドットは新西国八十八箇所ミニ霊場。黄色のドットは西国三十三番ミニ霊場である。

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とにかく境内は広い。境内への入場料は300円。境内があまりにも広いので、境内を車で回ることができる。その場合入場料は500円となる。私は細かく堂を見るつもりなので、徒歩コースで入場した。

仁王門付近からまっすぐ奥へ進むと、本堂がある。

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本堂は緑の屋根の宝形造。これが創建当時の伽藍の中心なのだろう。

現在は、山上の大観音堂がメインになっているためか、本堂付近はすこし寂れた感じだ。

本堂の右側には礼拝所という堂があり、内部には七福神などが祀られていた。

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本堂の左側には鐘堂が回廊で繋がっている。そしてその奥にはやはり緑色の屋根の愛宕堂が見える。

鐘楼の前には地蔵堂。

本堂に参拝したら次は山上伽藍へと移動だ。

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本堂へ登る山道の途中にある稲荷大明神。

このあたりまでですでに息が切れてきて、500円払って車で参詣するんだったと少し後悔する‥‥。

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さらに急坂を登りきると大観音堂につく。

本堂の前は参道の舗装工事をしていた。

本堂は正面7間の普通の堂に見えるが、実は正面から見えないように、内陣の方の天井が奥に行くにしたがってせり上がっている構造になっている。つまり、内部に入ると外から見たより巨大な空間になっているわけで四次元的なトリック建築と言っていいだろう。

内部には巨大十一面観音がすえられている。観音の高さは17mで木造としては日本一だそうだ。お顔の感じはどことなく仁王門の仁王と共通点がある。福泉寺2世住職が世界平和を祈念して製作したもので、完成まで12年を要したという。

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本堂の左には多宝塔。

昭和57年に建てられたもので、木造。

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本堂から参道を下る。

この参道には延々と屋根がついていて、実は私としてはこの屋根に感動してしまった。

夏の暑い日、参拝する人が熱くないようにという配慮なのだろう。こういうストレートな発想は好きだ。

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それにこの風景は以前に行ったミャンマーの山寺を思い出す。

ミャンマーの寺では寺域に入ったら裸足にならなければならない。日に焼けた道を長く歩くのは大変なのでこんな日よけが付いている寺が多いのだ。

なんだかこの景色を見ていると、靴を履いて歩いている自分が不自然に思えてくる。

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五重の塔のある広場にあった毘沙門堂。

こちらもかなり新しい建物のようで、この寺が次々に伽藍を造営していることがわかる。

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五重塔。平成2年の造塔だそうだ。

平面、軒の出にくらべて背の高いシルエットだが、遠野市街方面から遠目に見たときのことを考えているのかもしれない。

木造で意匠もしっかりしており、きちんとした五重塔だ。

遠野の昔話や伝説、古いものを目当てでこの寺を訪れた人々には「何だったんだ、ここは?」という印象しか残らないかもしれない。文化財は何もないのに入場料300円とるというのも一般の人にはちょっと高めだろう。ちなみにこの日私のほかに他の観光客は一人も見かけなかった。

もちろん、私にとっては300円くらいまったく気にならないほどのごきげんな寺であったということを申し添えておこう。

(2000年10月07日訪問)

   

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