稲沢市の東の外れ、六角堂という集落のなかに長楽寺はある。門前は南北に通る古い街道筋で、車がすれ違うにも窮するような狭い街道に沿って昔の商家などの雰囲気が残っている。濃尾平野にはこんな小さな街道筋が随所に残っているようで、関東の人間から見たら羨ましいかぎりだ。
入り口付近の様子。
楼門は三間一戸で、平面に対して高さが足らず、鈍重な雰囲気。
境内の様子。六角堂が見もので、国重文に指定されている。堂の平面は小さくて、その周囲に吹き放ちの空間がある。なんだか遊園地にあるメリーゴーランドみたいな建物だ。(残念ながら回転はしない。)
それよりも気になってしまったのが、境内で遊んでいた10歳前後の子供たち。写真で泥んこ遊びに興じている二人の少年と、写真には写っていないが楼門の基壇に腰掛けて、草花を並べて遊んでいる二人の少女がいて、その少女のうち、ちょっと大人びた雰囲気の娘が赤い服の少年を気にしながら、ちらちらと視線を送っている。赤い服の少年も、黒いジャージの少年と泥遊びをしながら、少女の視線を気にしている様子。少女の発するオーラが境内を満たす夕陽の金色に負けないくらいゆらゆらと輝いていて、こちらがのぼせてしまいそうだった。
境内には他に、本堂(写真)、庫裏、地蔵堂、観音堂。
(2000年03月18日訪問)