赤坂宿の中心部を離れ、中仙道を西に向かってしばらくいったところで珍しいものを発見した。
それは、番小屋付きの手動踏切。
ひと昔まえにはよく見かけた風景だったが、いつの間にか見かけなくなってしまった。列車が運行されているあいだ、ただ遮断機を上げ下げするというだけのために人を置いていた、そんなのんびりした時代の踏切がそっくりそのまま残っていたのである。
もちろん今は踏切番は常駐してはいない。
この踏切はJR美濃赤坂駅と西濃鉄道大久保駅の間にある。この路線は石灰岩の搬出用の貨物線である。
線路のバラス(砂利)が真新しいところを見ると現在でも貨物列車が運行されていると見た。
番小屋の天井から突き出た煙突がユーモラスだ。踏切番は寒い冬にはストーブで暖をとりながら電車の時間を待ったに違いない。
踏切を上げ下げするハンドル。
場所が大久保駅に近く、大久保駅から次の昼飯駅へはスイッチバックになっているため、列車の入れ替えの際などは、係員が貼り付いて安全を確認しながら細かく遮断機を上げ下げするのかもしれない。
(2000年03月18日訪問)