前日の深夜に家を出発。夜明け前には東海北陸自動車道の川島P.A.に到着して仮眠をとった。川島P.A.は岐阜県に入って最初にあるP.A.で、木曽川の右岸にある。P.A.の中から河原に出ることができる。
今回の旅も見る予定が多いので、とっとと観光をはじめたいところなのだが、朝に弱い私はとりあえず川風にでもあたって目を覚ますことにした。
河原の土手に立って、朝日に輝く川面を眺めていたら、岸辺に不思議なものを発見。
思わず土手を駆け降りて、近くまで行ってみる。
聖牛は武田信玄が考案したと言われる伝統的な治水手法で、中部~東海の河川で見ることができるという。ちなみに私は初めて見た。
材質はコンクリート製。高さは地表に出ている部分だけで4mくらいある。扠首(ハの字型の柱)は2列ある。下部の大部分は土砂に埋もれているようだ。
現代の治水技法が、巨大なコンクリートブロックの重みで土砂や堤防を守ろうとするのに対して、聖牛は増水時に水の流れを弱め土砂をたい積させることで護岸するというものだ。
コンクリートブロックで護岸するのに比べて、聖牛は植物を維持することができ川岸の生物相が豊かになると言われている。
実のところ私は治水関係にはまったくの門外漢なので、この物件の評価はできない。そもそもこの2匹の聖牛が川島P.A.で休憩するドライバー達の目を楽しませるためこれみよがしに設置されたオブジェなのか、それとも、こんなものを観光する私がどうかしているのか、それさえもわからないのである。
(2000年04月30日訪問)