飛騨古川の町並みは、東西の「壱之町」「弐之町」「三之町」という区割りからなる。
よく観光ガイドなどに出てくる光景は壱之町の裏側の小路だ。瀬戸川という水路が流れている。
観光絵葉書みたいなアングルの写真ではつまらないだろうから、写真の位置から全周を見渡せる(後ろをり返ることができる)パノラマ写真を載せておく。このあたりが町並み見学コースの西端になる。
西端から100mくらい東に歩いたあたりの風景。写真奥が円光寺になる。
さらに100mくらい東に進んだあたり。この辺りは車1台がかろうじて通行できるくらいの幅があり、夕方を過ぎれば歩いている観光客などまったくいないので、その気になれば車窓から見学という荒技も可能だろう。
このあたりまで来たところで雨がひどくなって、土産物屋で雨宿りするために引き返す。
再び町に出てみると、すでに夕闇。
ぼんぼりに明かりがともり、いい雰囲気ではあるのだが、ちょっと作り過ぎではないかという気がしないでもない。言ってみれば化粧のバッチリ決まったボディコンのおネエさんみたいだ。イイと思うんだけど、素直にイイって言えないそんな雰囲気の町並みである。
舗装が大理石の石畳じゃなくて、普通のアスファルトだったらもっと親しみもわくのだが。
町並みの東端のあたりの光景。洗い場がある。
そして町並みの東の外れには、不動堂。
不動堂の反対側には弁天堂。背後は安国寺ある谷から流れてくる荒城川が宮川と合流する地点だ。
弐之町と三之町の間の道。観光スポットのロウソク屋や造り酒屋などがあり昼間は観光客が闊歩しているのだろう。
そんなミーハーな観光地にも、日が落ちれば旅愁を誘う街道筋の光景が現出する。
このあと高山市に戻って宿泊するかどうか同行の友人と相談。
昼間の睡魔との戦いで消耗したのと、冷たい雨に濡れて体も弱ってきたため、飛騨の旅の後半の行程をあきらめて帰路につくことを決定。松本を経由して中央自動車道を使えば、深夜のうちには横浜まで帰れるはずだ。高山から南の地域はまたいずれ訪れることにしよう。
夜のとばりにつつまれゆく飛騨古川の町をあとにして、私たちは家路についたのだった。
(2000年05月02日訪問)