長野原町からの帰路、国道353号線が小野上村へさしかかるところに切り立った崖があり、そのふもとに岩井堂という観音堂がある。
向かいには群馬県では今では珍しくなってしまったドライブインがある。普通のドライブ客はすっかりコンビニにとられてしまったが、志賀草津や北軽井沢方面への団体旅行のトイレ休憩や昼食の需要があるのか、今でも健在のように見えた。
さて、これが岩井洞である。
堂としては、崖に投げ込まれた懸崖造りの観音堂ただ一宇である。こうしてみると、ちょっといい感じの堂なのだが、場所がドライブインの駐車場の隅のようなところであまり人が参拝しているのを見たことがない。群馬に住んでいる人でも、この寺の前を通ることはあっても、実際車を停めて参拝したという人は少ないのではないか。
正面右手の階段から二階に上がると、内部はこんな感じ。
内陣の裏に回り込むと・・・などという展開になればよいのだが、まったく奥行きはない。
そして、左手の階段を下りると観音堂の背後の洞窟へ行くことができる。と、言っても深さは5mくらいで、洞窟というより“へこみ"程度なのだが。
観音堂の背後は岩山になっていて、中腹の岩のてっぺんまで登ることができる。以前友人と登ったことがあるが、途中には何ヶ所か鎖場があってスリル満点。上からの吾妻川のパノラマは壮大でいつまで見ていても飽きない。所要時間は往復40分くらいか。駐車場もあり、そこから即登れるので鎖場体験としてはかなりお手軽だ。
岩井洞の遠景。
途中のロウソク状の岩場まで行ける。
(2001年04月01日訪問)