松林寺。
大興寺の谷にある寺のひとつ。
宗派は天台宗寺門派。かつては東西約900m、南北約550mもある大寺で、東西南北に4つの子院を有したという。
もっともその伽藍が焼失したのは室町時代のこと。
今は広々とした草原に宝形の本堂と庫裏が建つのみである。
庫裏。
境内はあまり寺らしい雰囲気ではない。
境内の入口には薬医門らしきものの礎石があったが、それすら再建できないのだから衰勢が知れるというものだ。
お盆だからか本堂が開いていたので中にあがらせてもらう。本堂の奥には千体地蔵があった。
そして、その中央には何やら幕が降りた一角がある。
隠されているとのぞきたくなるのが人間というもの‥‥
幕の中をのぞくと、そこには巨大な白塗りの地蔵が!
大きさは2mくらいか。もっとも座像だからかなり大きくみえる。丈六仏(=大仏)かもしれない。
左手には赤いマニキュアが塗られている。
顔にも色が塗られている。いわゆる化粧地蔵といって石仏に色を塗るのがあるが、丈六仏が豪快に塗られているとかなりの迫力である。
光背はハリボテなのだろうか。紙が剥がれかけていた。
(2001年08月12日訪問)