八幡神社。
金剛寺の東隣にある神社である。金剛寺とは境内続きなので参詣することにした。
薄暗い杉山になっていた金剛寺と違い、八幡神社の境内はコナラとアカマツの明るい林になっている。
神社の背後は平地であり、山の尾根の突端に神社が立地している。だが参道からみると山の頂上に神社があるように見える。
社殿は(かなり簡略化された)権現造。
他に末社が2社あった。
金剛寺から八幡神社へと続く道。
葉の落ちた落葉樹の林。日ごとに力強さを増す3月の陽光が降り注ぎ、赤土の道に木々の影が縞模様を織りなしている。関東の典型的な里山の景色である。
里山とは、生活のために整備され利用されてきた人工の林のことである。関東ではコナラやクヌギなどが植えられ、薪やシイタケの
そうした里山の樹はひとつの株からいくつもの幹が分かれて生えているので見分けることができる。コナラは根元から伐採されても、また切り株の端から萌芽して生長する。根元から分かれて生える幹は、木材を採るために何度も伐採された痕跡なのである。
一本のコナラは20年程度の間隔で利用することができるといわれている。写真のコナラはシイタケの榾木にはもう太すぎるようだし、現代では薪としての需要もかぎられてきている。この林が更新される事はもうないのかもしれない‥‥。
里山の中に小さな梅の木が一木咲いていた。
(2002年03月09日訪問)