駒形水車のすぐ近くに「めだかの学校」というビオトープがある。
童謡「めだかの学校」はこのあたりの情景を描いたものらしい。作詞した茶木滋という童話作家は横須賀市出身で、終戦直後にこの荻窪用水の近辺を散策中にアイデアを得たという。
すぐ横には荻窪用水が流れているが、ビオトープの内部の流れは用水とは別で、もしかしたら水は循環していたかも知れない。
宅地化が進んでいるとは言え、酒匂川の流域はまだまだ水のきれいな川が目立つ。ビオトープをどうしても作らなければならないような自然環境でもないと思うのだが、やはりこうでもしなければメダカを生存させることはできないのだろうか。
そのビオトープの一角に水車が回っている。
荻窪用水にはかつて多くの水車があり、それにちなんだものなのだろう。
水輪だけでなく水車小屋になっているが、ポンプ汲み上げ式の純然たる観光水車だ。
メダカの棲む小川に水車小屋。一見すると風情のある光景なのかもしれないが、私は何としてもポンプで汲み上げる式の水車には納得がいかない。
水車小屋の中を見てみると、水車小屋はただの張りぼてであることがわかる。今までに見た水車小屋のなかでもかなり邪悪な部類だ。
水車とはもともと、自然のエネルギーを利用したクリーンな装置のはずである。しかるに、この水車は終始電力を使って水輪を回しているだけでなく、そのエネルギーを何の仕事にも利用せず浪費しているのだ。ビオトープという環境教育施設の同じ敷地で、こんなことをしていていいのだろうか。
(2001年06月03日訪問)