十王院。妙泉寺の東隣にあった寺。
二川宿の東のはずれにあたる。寺の前の風景。
寺の入口は民家と民家のあいだの細い路地。これといった目印もないので、うっかりすると通り過ぎてしまいそうだ。
そしてこれが本堂(右側)。本堂と左側の建物とはつながっている。住職が炊事や寝起きできる感じではなく、講などの集まりで人が集まるための籠り堂のようなものだろう。
私としては、庫裏の付属する仏堂を「寺」、庫裏がないものを「堂」と呼んでいるが、この寺は「寺」と呼べるものとしては最小構成の「プリミティブな寺」といえるだろう。
だが、質素がゆえに印象に残る場合もある。
実際のところ、この日二川宿で見た大岩寺、松音寺、妙泉寺はすでに記憶のなかではごちゃごちゃに混ざりつつあるが、この十王院の境内の様子ははっきりと覚えている。
境内にはほかに六地蔵堂。
素朴な石仏があった。薬師如来だろうか。
(2001年11月23日訪問)