渋沢という字で見かけた稚蚕共同飼育所。
現在は工芸品かなにかの工房、兼、住宅になっている。建物はペンキも塗り直されてきれいだし、洋風のエクステリアも取り付けられていて明るいイメージである。
この飼育所の特徴は、建物が石垣の上にあることだ。建物の周囲には空き地がほとんどない。
手前側が宿直室と貯桑場になっている。配蚕口は奥側の見えないところにあるのかも知れないが、少なくとも、軽トラなどを乗りつけられるようには見えない。
おそらく配蚕は写真の石段を登ったところの出入口から行ったのではないだろうか。これまで見た飼育所で、配蚕口が飼育所の側面にあるタイプとしては、五代稚蚕共同飼育所があった。
配蚕時には不便な代わりに、貯桑場への桑の搬入は道路から直接できたようだ。むしろ頻度から言えば桑の搬入のほうが圧倒的に多いはずなので、合理的な造りと言えるかもしれない。
貯桑場への扉は高さが120cm程度しかないので、人間が通り抜けるには狭い。ここから中にいる作業者に桑を渡したのではないかと思う。
青い扉は更衣室への入口。
写真右下に石垣が50cmくらい切れているところが見えるが、そこが石段になっている。
建物へのアプローチとしては、かなり狭い石段である。
旧粕川村で見かけた養蚕農家。越し屋根が3つ付いている。このようなタイプの建物は、内部も3室にわけて使用できたのではないかと思う。
垣根のカラタチなが印象的。カラタチの垣根は最近では見なくなった。
(2007年02月13日訪問)