馬山の稚蚕飼育所をみたとき、東側の丘の上に不思議な塔のようなものが見えた。
近くまで行ってみると、墓地の中にそれは建っているのだが、すぐになんだかはわからない。塔の側面に「常夜灯」というプレートが埋め込まれていて、定礎をみると大正13年と書かれていた。
構造は鉄筋コンクリート、表面は人造石洗い出し仕上げ。
現在は、塔の上に電灯が取り付けられているが、これは後補のものだろう。
もともと上部には鉄製のぼんぼりのような電灯があったのが腐食して無くなったのではないか。塔の側面には電柱に登るための足場みたいなモノが生えているが、これで電球を交換できたのだろう。
想像だが、昭和天皇のご成婚を記念して建てられたものではないかと思う。
大正十年代から昭和1桁くらいの時期には、こうした記念塔のようなものを建てるブームがあったようだ。このサイトでは御大典(昭和天皇の即位)記念の辻時計物件をいくつか紹介しているが、常夜灯や石鳥居など、大正の十年代の定礎を持つものが多いように思う。
(2008年06月28日訪問)