町谷稚蚕共同飼育所

木造の飼育所に木造モルタルの飼育所を継ぎ足した構造。

(群馬県甘楽町小幡)

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小幡から秋畑へ向かう県道に面した飼育所。

木造の土室電床育の飼育所と、ブロック電床育の飼育所が継ぎ足された飼育所だ。

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裏側から見たところ。

手前はコンニャク畑。

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配蚕口は北側で、道路面との段差が1mくらいある。短い石段がついているものの、ここから配蚕するのは無理に思える。

よく見ると、手前の壁に長押を取り付けた跡があり、ここに更衣室があったようだ。ここに床があったとすれば、以前は配蚕口の高さのところにデッキがあったのかも知れない。

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宿直室は南側にある。

貯桑室もこの部分の地下にある。

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木造部分には大きな引き違い戸があり、ここがこの飼育所の主要な出入口だったようだ。

戸の上部にも窓があることからわかるように、ここは本来は土室があった位置で、戸が付けられたのは改装されてからだ。

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戸口から中をのぞいてみると、なんと、土室の天井はそのまま残されていて、土室2間分の中を通り抜けるようになっている。

天井にはスライド式の換気口が残っている。

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反対側の戸口から中をみたところ。

一時的に倉庫に使われていたようだ。

右手前が挫桑室で、地下室への入口も見える。

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土室特有の外部の通気孔。

耐火構造のフタがあったので外してみた。裏側はこんなふうになっている。

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トイレは室外だった。

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電床が捨てられていた。

(2008年07月12日訪問)