ウィンセントーヤ寝釈迦・参道

参道にはあなどれない数のパゴダがある。

(ミャンマーモン州ムドン)

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ウィンセントーヤの寝釈迦はムドンの郊外にある。

モーラミャインの市街地からは、国道8号線を20kmほど南下したあたりになる。

途中の道の両側は、ゴムの林が続く。

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寝釈迦への入口は、大きな白い鳥が首をもたげた総門が目印だ。動物園でもあるのかと思わせる門であり、これまで見た総門の中でもきわだって楽しそうな造形だ。

門の上の像の構成はコーゴン洞窟寺の総門に近い。

中央で手を上げているのはたぶん釈迦。その横には帰依したと思われる貴人と、守護神が取り巻いているという構成であった。

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総門の横には、八角形の基壇に載ったパゴダがある。

このように、基壇の部分が高く、階段で上るようになっているのは一種の様式のような気がする。

サクっと寝釈迦の紹介に行きたいところなのだが、この寺の参道には沢山の様式が異なるパゴダがあるので、まずそれを念入りに紹介しようと思う。

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はじめに現れるのは行列托鉢僧の像。これまでに見た寺の行列は入口に向かっているものだったが、ここは寺のほうを向いている。

つまり入口から見るとお尻を向けているのだ。

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数は行列の先頭が見えなかったのでわからないが、200~300体くらいはあったと思う。

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途中にボールト型の門があり、托鉢行列はその門の上を通って、右のほうの子院の境内へと延々と続いていた。

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ナスかキュウリを思わせる基壇の上にのった、長髪のトラ使い。編んだ髪は身長よりも長く、まるでムチのようだ。

左側にはまるで犬を散歩させるがごとく、トラを従えている。これ何か伝説上の人物だろうか。

基壇には窓があるので、内部には2階があるかもしれない。

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浮袋に乗った四面仏、としか言いようがないパゴダのような仏像のような物体。

UFOに乗った仏か? これちょっと怖い。

夜にとつぜんこんなのを見たらちびりそう。

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基壇に明確に部屋があるパゴダ。

日本だったら無縁仏の納骨堂にこんなのがあるが、ミャンマーでは遺骨を大切に守るという考えがないので、たぶん違う何かなのだろう。

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青いサボテンのような形をしたパゴダ。

黒い縦じまのように見えるのは、龍の体で、よく見ると上部にかま首をもたげたナーガの頭が8つ付いている。

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巨大なハンマーを持ったふんどし姿の人夫と、金棒を持った僧。僧の脇にはまたもやトラが従っている。

この僧はこの寺の開山で、総門のあたりにあったトラ使いは、実はこの僧が出家する前の姿。ふんどしの人夫はトラ使いの旧友だったが、出家した僧に最初に帰依して寺の建立のために働いた男である。僧の法力によって怪力を得て三日三晩でこの寺を建てたという。

・・・というのはすべて想像だが。

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内部にお楽しみがありそうなパゴダ。

左側のトンネルから内部へ入り、右側に見えるトンネルの屋根からパゴダの二階(緑色の欄干がある部分)へ登れるようだ。

通り過ぎてしまったが、これは中へ入ってみたかった。

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総門から寝釈迦までは2kmほどの参道が続く。

参道の両側にパゴダがあるだけでなく、参道から見える山の中腹や稜線にも点々とパゴダがある。

写真で山中に見える白いものはすべてパゴダなのだ。かなりの広い範囲にパゴダが点在しているので、全山では100基くらいのパゴダがあるのではないだろうか。

ミャンマーでは100基のパゴダなど物の数ではないのだが、数にモノを言わせるときは同一形状のパゴダが立ち並んでいることが多いのだ。

ここウィンセントーヤ寝釈迦では、一点モノのパゴダが多いので、数は控えめであっても目を楽しませてくれる。

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ヒンドゥの塔門を思わせる白いパゴダ。その表面には見慣れない勾玉のような形の文字が並んでいる。

丘の上にはマッシュルームのようなパゴダも見える。

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西安の大雁塔を思わせる形のパゴダ。

内部はたぶん空洞で、登ることはできないだろう。

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一方で、登ることができそうな層塔も作られていた。

これは中国風の仏塔だ。

現在建設中で4階まで造られている。張り出した屋根のような回り縁に階段があって、外部から登る構造である。

これを見て、珍寺好きの人だったら即座に思い出すものがあるであろう。そう、西新井大師のさざえ堂。

もしこの建物が日本にあったら、準さざえ堂建築として認定できると思う。

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白い無数のパゴダが並ぶ。

その奥に見える赤い建物は、ネパールを思わせる寺院建築だ。このエリアはもしかすると世界の仏教建築の展示場なのかもしれない。

それにしても道ばたにゴミが多い。外国の街では普通の光景なのだが、寺の境内でもゴミを捨てるというのはミャンマーの仏教徒としてはどういう感じなのだろう。

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三層の屋根を持つパゴダ。

パゴダというよりは、三重塔と言っていいかもしれない。こうした円形平面の層塔は中国の木造仏塔に多い。

屋根を持つめずらしいパゴダだ。残念ながら壊れかけている。

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巨大な僧像が見えた。鎌倉大仏くらいはありそうだ。でも誰もそちらのほうへ参拝していない。

奥の山の稜線に並ぶ点々は、行列托鉢像。この距離から見えるということはかなりの大きさの像なのだ。

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そして、参道の突き当たりに見えてくるのがウィンセントーヤの寝釈迦だ。

世界最大の仏像と言われている。

現実とは思えないような風景。枕にしているのがビルなのである。

あまりにも大きいので、GoogleMaps の航空写真でもはっきりと仏像の形が見える。GoogleMaps で計測してみたところ、頭から足まで170mはあるようだ。

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駐車場に到着。

トラックバスだけでなく、観光バスも何台も来ている。

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屋根付きの駐車場もある。

屋根無しのトラックバスだったら、ここに停めて荷台でお弁当を食べることもできそうだ。

あまり車が止まっていないところを見ると、有料駐車場なのかもしれない。

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本坊。

このあたりではあまりゴミがなく、庭に花が植えられてキレイになっていた。

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さて、いよいよ寝釈迦に参詣。

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寝釈迦への入場ゲートと思われる建物。

たぶん拝観料は取っていない。

ここから入場するのかと思ったが、職場の面々はこのゲートへは進まず、寝釈迦の枕のほうへ進んでいくのだった。どうもそれが普通の参拝方法らしい。

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入場ゲートの横にはプールがあった。

ウォータースライダーもある娯楽性の高いプールだ。乾季のためか水は張られていなかった。

それにしても、大仏を見に来てそれにも飽き足らず、プールで遊ぶって、ミャンマー人はどれだけ寺に沢山のことを求めているのだろう。

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それにしてもでかい。

単にでかいだけでなく、顔の造形が妙にリアルなせいで、仏像という感じがしない。

じゃあ冷静に他の何に見えるかというと、やっぱり仏像でしかないのだけれど、そうした現実を認識する感覚がマヒしてしまう。

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目玉はもしかすると夜に光るかも。まつげは鉄筋でできている。

大仏の構造は鉄筋コンクリートのラーメン構造の骨格に、顔だけは鉄板の外層を取り付けてある。

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足の甲だけで三階建ての建物くらいの大きさ。

それにしても奥の山に点々とあるパゴダ。これをどうしろというのだろう。

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さて、いよいよ大仏の胎内へ入ろう。

入口は大仏が枕にしているビルだ。

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ビルの入口まで石段が続く。

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ビルに入るとさらに長い階段があり、大仏の後頭部のあたりへ向かって登って行く。

(2014年02月08日訪問)

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火の見櫓からまちづくりを考える会 (編集)

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