チャイティーヨー・ゴールデンロック

落ちそうで落ちない聖なる岩。

(ミャンマーモン州チャイトー)

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キンプンからのつづき。

チャイティーヨー。シンボルのゴールデンロックの写真を見たことがある人も多いはず。

ミャンマーの三大観光地を挙げるとすると、バガン、シュエダゴンパゴダ、チャイティーヨーであろうか。日本に当てはめると、バガンは奈良、シュエダゴンパゴダは浅草寺、チャイティーヨーは日光という感じだ。バガンが歴史ある史跡であるのに対して、チャイティーヨーはちょっとキワモノがかったオモシロ寺院というポジション。

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山頂のバスステーションから、ゴールデンロックまでは1kmくらいの歩きになるが、大した坂もないので楽に歩ける。

バスステーションには荷物運びの人足が待ちかまえているが、山頂のホテルに宿泊する人が利用するくらいだろう。

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駕籠もある。一人の客を四人の駕籠かきでかつぐ。

かつて、ヤテタウンから山頂まで徒歩の登山だったころには人気だったかもしれないが、いまでは観光客が記念に乗るくらいで駕籠かきたちも暇そうにしていた。

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ゴールデンロックまでの道は、土産物屋がつづく。

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途中にはホテルもあるので、ここに宿泊すれば日没や夜明けのゴールデンロックを堪能できるはず。

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駕籠を利用している人がいた。

かなり揺れるので、乗るほうもかなり体力が必要。

まぁあれだな、観光の記念みたいなもので、讃岐の金比羅さんの石段を駕籠で登るような感じだろうか。

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途中にあった、ミニ・ゴールデンロック。

というか、ミニ・ノアラボーパゴダと言ったほうがいいかもしれない。

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外国人向けのチェックポイント。

外国人といっても、タイ人などはたぶん現地人扱いなのだろうな。

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パスポートを提示して、拝観料を支払う。

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拝観料は、6,000チャット(約490円)。

カメラチャージは不要。

パスは首からかけられるようにリボンがついている。

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参道で見かけた土産物を見ていこう。

風船を使って作った竹笛を売る少年。

頬に塗っているのはミャンマーのおしろい「タナカ」。だいたいは女性が塗るものだが、子供のうちは男の子でも塗っているのを見かける。

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ゴールデンロックの模型。

型で抜いたレジンに金色を塗っただけのもので、ヤンゴン空港のお土産コーナーなどでも買えそうなもの。

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こちらは土台が木で、ゴールデンロック部分がレジン製の造りもよいので、私も家族へのお土産に購入した。

この土台が木でできた品のよいゴールデンロックは、途中の二軒の模型専門店でしか売っていなかった。

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未熟マンゴーとちまきを売る少女。

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油で揚げたスナックを売る男。

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焼きそば屋さん。

作り置きなので、日本人が食べたらたぶんヤバイ。

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山門に到着。

ここから先は境内になり、裸足にならなければならない。

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山門の横にあるこの小部屋は、女子更衣室。

チャイティーヨーの境内は女性は正装であるロンジー(ミャンマーのロングスカート)をはかなければならない。ズボンで来た場合はここで着替えるのだ。

なお、男性はズボン可。GパンもOK。

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境内は地面が完全に石畳になっていて、小石ひとつ落ちていないので裸足で歩いても痛くない。

ただし、石の色が黒っぽいところは日光で焼けていて熱い。なるべく白っぽい石の上を歩くようにしよう。

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途中で売っていたタピオカっぽい冷菓子。

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売っているところは美味しそうなのだけど、トッピングの黒砂糖のせいですごく甘ったるく、しかも冷たくないのでノドが渇くデザートだった。

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またまた、ミニ・ゴールデンロック。

こうした不思議な自然石が境内にはいくつかあるようだ。

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横から見ると船のように見える。

あとで知ったが、これはもしかしたらジンチャイ滝のパゴタと似ている気もする。

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キンキラキンの山門。

参詣する人々は山門をくぐらずに、左の建物に吸い込まれている。

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ナッ神と思われる女性の上にお札が並べられていたり、周りで拝んでいる人のはちまきにもお札が突き刺してあるのがおかしい。

この女性は、この山の民族の娘だったが、モンの王様に見初められて妃だか側室だかになることになった。とこがそのとき山の精霊に報告せずに輿入れしたために怒りにふれて、ふるさとに戻ったときにトラに殺されてしまったのだという。足などを体の悪い箇所をさすると、自分の病気が治るといわれている。

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山門を過ぎると、ゴールデンロックが見えてくる。

これ、本物だよね・・・?

いたるところでレプリカを見てきたせいで、本物を見てもどうも実感がわかない。

私の心の中では、金箔の張りすぎで、純金の固まりみたいになっているものかと想像してきたのだが、実物はほとんどが金ペンキで塗られていて、鈍い金色だった。

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この岩の上のパゴダには釈迦の聖髪が入れてあるため、どんな地震があっても岩が落ちることがないのだという。

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ゴールデンロックのある山頂はすごく広く、完全に石畳が敷かれた広場になっている。

その中央にはヒンダー(鳥)を載せた塔がある。こうした塔はパゴダには併設されることが多いが、何なのだろう。世界史の教科書に出てくる、アショーカ王の柱と似たようなものなのだろうか。

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その塔の一角にはこうして強引に天幕を張れる場所があり、山頂に宿泊する人々のキャンプができている。

ただし外国人はここでは野宿できないので注意。警備員が巡回していてホテルに強制収容されるらしい。

ミャンマーでは外国人を宿泊させる施設にはライセンスが必要であり、基本的に野宿はできないし、行きずりで田舎の安宿に転がり込もうとしても断わられる。

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それにしても寝てる人多いな。

長旅で疲れているのか、それとも夜からが本番なのか。

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広場の外周は、寺務所のような建物が取り巻いている。

これはちょっと気になる建物だが、中には入れそうにない。

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巨大寄進所。

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VIP用特別遥拝所か?

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ゴールデンロックへは橋が架けられていて、参拝客が金箔を貼り付けることができる。

ただし、ここへ入れるのは男性だけ。入口にセキュリティーゲートがある。

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私も金箔を購入して貼り付けてみた。

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女性はすぐ横の遥拝所から拝むだけである。

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すぐ近くまでは寄れるが、岩に直接触れることはできない。

ミャンマーの観光地ではよくあることなので、知っておかないとがっかりすることもある。

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天気がよくなって、ゴールデンロックがいい感じに輝き出した。

ゴールデンロックをひと回りするように通路があり、ここでは誰もが記念撮影をしていた。

私は、あまり下調べをするほうではないし、『地球の歩き方』を見てもチャイティーヨーのことは、この岩のことしか書かれていないので、これで観光はおしまいかと思っていた。

ところが、実はチャイティーヨーには更にディープな世界が待っていたのである。

(2014年02月15日訪問)