ザブンミャイン寺院

人工の築山の上にパゴダがある。

(ミャンマーカレン州パアン)

パアン滞在の最後の日曜日。昼過ぎまで続いた雨がやんだので、午後3時ごろから近くの寺にでかけることにした。

最初に訪れたのはザブンミャイン僧院。ヤンゴン方面からパアン市の行政地区を訪れるときに通る道に面している。たいして広い道でもないのだが、市内を通過するための主要な道のひとつであり交通量もそれなりに多い。

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寺の前の道の東のほうの交差点には道路をまたぐように総門が作られている。

後日、国道の橋の掛け替えがあり、この道が迂回路になったとき、この門は撤去されてしまった。大型車両が通れなかったのだろう。

寺の門としてだけでなく、パアン市内を通過するときの曲がり角の目印にもなっていたので、門がなくなったときには気付かずに通り過ぎてしまった。

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道路をはさんで両側に僧院とパゴダがある。おそらく同じ寺だと思う。

この山門は僧院側。

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僧院側にまず入ってみたが、取り立てて面白そうなものもなかったので、入口で引き返す。

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パゴダ側を路上から見たところ。

寺の土地は小高い丘になっている。サルウィン川の自然堤防だ。

そこにさらに築山のような石垣があってパゴダが建っている。私がはじめてパアン市に来たときにもこの道を通ったので、築山が印象に残った。いつかは来てやろうと思っていた寺だ。

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ではパゴダに入ってみよう。

境内に設置されたスピーカーからは、ずっとお経が流れている。

お祭りでもやっているのかと思ったが、境内には人影はない。

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山門を入るとコンクリのスロープが続いている。

中央にむしろが敷いてあるのでそこを歩いてゆく。それ以外の部分は雨季で藻類が繁茂して滑って歩きにくいのだ。

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参道には小さな堂がいくつか並んでいた。

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そのひとつ、珍しい印相の仏陀?

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そのひとつ、シンウーパゴ堂。

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浅黒い肌をしたバージョンだった。

しかも左向きというめずらしいパターン。

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パゴダのある築山はどうやら登れそうだ。

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せっかくなので、築山に登ってみよう。

階段の最下段がくつ脱ぎになっているようなので、ここでサンダルを脱いで裸足で登ればよさそう。

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築山の上は、まあ想像していた通りの空間だった。

パゴダの基壇は八角形で、各面には八曜日の守り本尊が祀られている。私の守り本尊はハィンスイン(牙のない象)なのでそこで拝礼。

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築山の上から南西方面をみたところ。

黄緑に見える部分はだいたい水田か湿地で人家はない。何十万年というスパンで見たら、サルウィン川がここを流れた時代もあったことだろう。

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築山の上から本堂方面を見たところ。

タコンタイ(石柱)と天部の神様の色彩が鮮やかで、楽しい雰囲気。好きに参詣していいよ、ということを体現しているようだ。

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本堂のほうへ行ってみる。

本堂は平面円形で、屋根の上にパゴダが載っている構造。

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中に入ってみると、女の人たちが読経していた。

さっきからスピーカーで流れていたお経は、ライブだったんだ・・・。

邪魔したら悪いから、あまり近づかないようにしておこう。

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本堂の中心は八角形の柱になっている。

各面には仏陀がいる。これも八曜日の本尊なのだろうか。

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天部の神様が取り付けられている箇所がある。

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かなり手作り感あふれる造形。

仏師ではなく、家具屋などの日常品の職人さんが奉納したものかもしれない。

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神様の下には基壇内部へ入れると思われる入口があった。

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入ってみる。

内部は空洞で、中心にはタイル張りの柱、周囲はモザイクミラーで輝く銀色の空間だった。

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細い階段があり、さらに二階へ登れそう。

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二階へ。

おそらくここはパゴダの内部になるのだろう。

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内部はすっごく狭い。

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こちらは中心の柱もモザイクミラーで装飾されていた。

窓はいっさいなく、換気は入ってきた階段の穴だけなので、蒸し暑くて空気は濁っていた。閉所恐怖症の人には耐えられない空間だ。

(2014年07月27日訪問)

黄金のパゴダ: ビルマ仏教の旅 (フォト・マンダラ)

単行本 – 1989/1/1
杉江 幸彦 (著), 大野 徹 (著), 樋口 英夫 (著, 写真)

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