ラッサン村の中を行く。路面も比較的平らでほっとする。こんな木立の中に家がポツポツと続いている。
市内からも遠く、途中も悪路なので不便な場所だが、こんな場所にも人々の暮らしがあるのだ。
道端にちょっと見馴れないものがあった。
最初、墓地かと思ったのだがどうもそうではなさそう。
おそらくナッ(精霊)信仰の祠だろう。
ナッ神というと、精霊信仰の行者や、死んで神になった伝説上の人を祀っている場合が多い。日本で言えば、前者は役行者、後者は菅原道真のような位置づけの神様だ。
そのほかに、人ではなく、精霊そのものを祀っているのではないかと思われる祠がときどきある。これはそうした精霊の祠ではないか。
ミャンマー人にこの写真を見せて聞いたところ、赤白の布が掛けられているからこれは墓ではなく精霊を祀る場所だとのことだった。
初めてミャンマーに来たときにはあらゆるものが不思議に見えたものだ。いまでは滞在が長くなったせいか、ナッの祠を見ても、日本の山村で山の神とか道祖神なんかを見ているように、落ち着いた風情を感じるようになってしまった。
精霊棚っぽいものがあった。
棚の上は平らになっていて、ここにご飯などのお供え物を置くのだろう。
(2014年11月08日訪問)