ミザン山には二つの峰がある。
先ほどまで訪れた二つの僧院は南の峰にあった。これから北の峰へと向かう。
写真右側に見えるのが北の峰で、標高が60~70mほどの小さな山だ。
北の峰へ向かう道の途中に
「里門」とは当サイトの造語で、街道において集落の入口に作られる門のことである。
その門を過ぎると、道は寺へと突き当たる。扁額には「ミザンタイチョン」とある。「タイチョン」は「学校」のような意味だから、「ミザンの学校」というような名前。
ミャンマーのお寺には、参詣用の仏塔(=パゴダ)のほか、お坊さんになるための修行をする寺や、瞑想をするための寺、地域の学校を運営する寺など、いくつかの異なるタイプがある。この僧院は学校の機能が主なのだろう。ミャンマーではこのようにお寺が無償で教育をしているので地方でも識字率は非常に高い。
山門をくぐると短い石段があり、懸崖造りの建物が見える。
周囲の椰子や栽植が、南の国の楽園の風情。
境内にはいくつもの建物が並ぶが、すべて屋根付きの渡り廊下でつながっている。
こういう場所(僧院の渡り廊下)を歩くときは、裸足になるべきか迷う。かつてミャンマー人と同行したとき、サンダル履きのままだったことが何度かあるのだ。
だが裸足になっておけば間違いはないので、サンダルは山門のところで脱いできた。
僧房と思われる建物。
二階建てで、入口からは階段ですぐに二階へと登るようになっている。私は、このような建築様式は、モン州の様式だと考えている。「モン様式」とか「モン造り」とでも言えばいいのか。
階段の登り口の上にある越屋根は、切妻を重ねたようになっていて、この屋根の収め方もモン様式の特徴だ。
一階は僧房(寝起きする場所)、二階は講堂(勉強する場所)になっているのではないかと思う。
せっかくなので二階へ登ってみよう。
寺の子供が出てきた。
これまでオレンジ色の僧衣は、タイの仏教の特徴だと思っていたが、ミャンマーにもあるんだな。
私の職場の若いスタッフのうち2人が、ここミザン村の出身だと聞いている。ここで学んだのだろうか。
二階の講堂の内部。
天井が一様ではなく中央が高くなっていることや、相似四角形を重ねた模様も、モン様式の特徴である。
こちらは僧侶の住居か。
山の中腹に仏殿があるようなので行ってみる。
仏殿の入口。
回廊の中を移動しているので、建物の外観や境内の全体像がわかりにくい写真になってしまった。
仏殿の内部。
モザイクミラーの使用率が高く、ギンギラギンだ。
仏陀は、マンダレーのマハムニ大仏と似た造形。
仏塔のみが露天。
床の掃除があまり行き届いてなくて、小石が散らばっており、裸足ではきつかった。
基礎の部分もコケが生えていて、少し荒れた感じのパゴダだった。
(2015年11月22日訪問)